2012年12月30日日曜日

今週の一枚 Rihanna「Unapologetic」他一枚


これまた毎週の更新になるかさだがではなく、
一枚になるかどうかもさだかではなく、
第一弾の今回からして二枚だったりもしつつ、
そもそもその週の新譜になるかどうかもさだかでなく、
ただ書きたいからという理由で書きつづる雑記コンテンツその二。

その第一弾はリアーナ。

拙著「絶対服従者(ワーカー)」の最後のシーンを書くときに
前々作「LOUD」収録の「California King Bed」を鬼のようにリピートして
ポジティブかつちょっと切ないエネルギーをもらっていて。

新作も執筆の糧となるなら買おうかなと思っていたら、
リーダートラックの#2ですよ。

こういう曲を聴かされると、そりゃあ買いますよ。聴きたくなりますよ、ええ。

この曲は、けっして明るくなくて、
歌からは悲壮感というか禁断の愛なのかってぐらいの覚悟すら感じられて、
ダークで激情的で、
こんな曲が大好物でして。

Cheers (Drink To That)」のような
レゲエ調のハッピーな曲もいいけど、
今回のアルバム全体を占める
暗くて感情的なものにもリアーナはハマるね。
むしろこっちのほうが好きなほど。

淡々とした歌と曲調ながらむきだしの感情がせまってくる#4とか、
イントロでどハマりした、ポップだけど影のある#5。
これまたイントロでどハマり、問答無用に泣ける#8。
すごく優しい歌なのになぜか寂しくて、決して相容れない誰かとの対峙、
みたいな想像をかきたてられてしまった#12。
ちょっとだけスティングの「Englishman In NewYork」を思いだしたりした、
都会的な哀愁の漂う#13。

など、前作より好物の多いこのアルバム、
個人的な最高潮は#10と#11。

#11は、けっしてハッピーではないけど前に向いて進んでいく
エンディングテーマのような前半から、
中盤の転調で新しい物語が始まる、夜明けのような流れになっていくんやけど、
ここでリアーナの力強い声が前面に出てきて、
歌がすべての音を支配するぐらい強烈になって、
別のことをしていても、はっと顔をあげてしまう鮮烈さ。
長尺のこの曲を歌いあげる圧倒的な表現力。
それを聴くという行為の気持ちよさが、たまらないんです。

もう一曲の#10は、このアルバムでいちばん好きな曲。

曲調は、誤解を恐れずに言うなら宇多田ヒカルの「Passion」に似てて、
歌詞の内容ということではなく、曲がまとってる雰囲気が、
絵空事の希望ではなく心から振り絞った前向きな力をぶつけているような。

そういうところも「Passion」に近い匂いがあって好みなんやけど、
いちばんの魅力はクリス・ブラウンとの掛け合い。

元々、ヒップホップにしろコンテンポラリーにしろ
ブラックミュージックはほとんど聴かないから、
クリス・ブラウンの声も柔らかめの男性ヴォーカル、
ぐらいにしか知らなかったんやけど、
まさかこんなマイケル・ジャクソンばりのシャウトができるとは!
しかもこんな格好いいとは!

それでいてリアーナの歌との相性が抜群なんよね。

私生活ではすでに終わった二人らしいけど、
歌の息の合い方は飛びぬけてる。いや驚いた。
めちゃめちゃいい曲だわ。

#2をはじめ、執筆時のエネルギーをたっぷりもらえそうなアルバムで、
タワーレコードで輸入版を勢いで買ったんやけれど、
大当たりでした。

それともう一枚。

STONE SOUR「House of Gold & Bones Part 1」

このアルバムは取りあげなくちゃ。

SLIPKNOTとは違うヘヴィロックの形を確立した2ndと、
メロディが強調されたことでコリィの魅力が際立った3rd。

今回の4thは両者のおいしいところを凝縮させたような内容で、
ヘヴィネス一辺倒の#1からサビメロが狂おしく炸裂する#2の流れが、ね。

もう、悶絶もの。

#2はリフがまたいいんよね。
重くてえげつなくて、それでいて躍動感が心地よくて。

激しい曲でいうなら、
怒り狂いっぷりに体が勝手に動いてしまう#6。
歌メロがコリィらしさ全開で、タイトルが印象深くて、
Aメロのアルペジオがなんか妙に耳に残ってしまう#7。
#10から続く、男臭さ満載の#11なんかがおいしくいただけます。

でもやっぱり、シャウトとグロウルは味つけに、
あくまでメロディを歌いあげてこそストーンサワーでのコリィかな。

歌いだしからサビまでシャウト気味なのに一貫してメロウな#5とか、
個人的にコリィの声の魅力がいちばん出ていると感じた#9なんかは、
この歌を聴きたくてアルバムを買よう、
このバンドを追いかけようと思わせてくれる、

さらに、コリィっぽさの中にブルージーな色を入れた短篇バラード#4。
1st収録の「bother」とかSLIPKNOTの「Snuff」を思わせる、
やっぱりコリィのバラードは最高や、と膝をたたくこと必至の#8。
#4同様インタールードだけど、これだけで一曲に仕上げてほしい、
あるいはPT.2になるであろう次のアルバムで完成されるのか?の#10。

と、普遍的なロックサウンドを現代的な重さにして、
コリィの歌をこれまで以上に押しだしたのが今回のアルバムという印象。

はてさて、このアルバムはPT.1とつけられているけど
次のアルバムではどういう音を出してくれるのか。

今回の延長線上なのか、また違うものを追及してくるのか、
どっちにしろ楽しみ。

ちなみに俺、激しかったり残酷な描写を書くときは
だいたいこういう音を流しっぱなしにして力をもらってます。