2013年12月29日日曜日

再び連携テスト

こんなことをしているバヤイやあれへんのに。

連携テスト

雑記→トゥイッター→フェイスブックの連携が
できなくなっているので試験書き込み。

なんか一年前も同じようなことで苦しんでいた気がする。

2013年最後の雑記

気がつけばもうすぐ2013年も終わりを迎えてしまいました。

もうちょっと頻繁に更新するつもりが、
執筆作業が壁にぶつかり、
結果として息抜きのための雑記すら書けなくなるという悪循環に陥り、
なかなかだめな事態になりまして。

というわけで今年の総括なのですが、
総括するほどの活動もできなかったので、
来年2014年には著作を一作でも多く発表するという目標を掲げて
今年を締めくくりたいと思います。

現実的に達成せにゃならん目標としては、
今取り組んでいる長編と、
企画を持ちこんで好感触だったもう一作の出版。
これは何とかしたいと考えております。

で、それに合わせて去年の末の突貫でつくった
ウェブサイトもそろそろ改造したいな、と。

そんなわけで本年もありがとうございました。
来年も引き続きよろしくお願いいたします。
それでは皆様、よいお年を。

と、締めくくったものの、
正月も書きますゆえ俺にとっては年の瀬感も正月感もありませぬ。

2013年12月15日日曜日

海外ドラマとか、もろもろ。

引き続き海外ドラマをいくつか視聴中。

平日に一話ずつ放送しているため追いつくのが大変ながらも
おもしろさがずば抜けているパーソン・オブ・インタレスト。

やっぱりこのドラマは力技万歳なリース君と
いつのまにか潜入任務がお手の物になったフィンチを主軸に、
どんどん無茶なことをしでかす登場人物のやりとりを
訳知り顔でニヤニヤと楽しむも。

シーズン1から2にかけて魅力的なキャラも現れ、
楽しさは倍増しました。
魅力的な新キャラとはルートでもカーラでもなく、
いやそれらのキャラも魅力的なのですがそうではなく、
かといってシーズン1より輪をかけて超絶万能型となったゾーイでもなく、
我らのアイドル、犬のベアです。

メル・ギブソン好きの七割が萌える状況としてつとに有名な、
主人公と犬がたわむれるという、この構図!
しかもこのベアという犬がかしこいわ、かわいいわで。

もはやハードボイルドに必要な要素が
すべて入ったといっても過言ではない完成度。
登場人物の年齢の高さも含めて大人のニヤニヤ感を助長してくれます。
現時点で最高のおすすめ。

もう一本視聴を始めたのが、
というてもまだ一話だけしか観ていないのですが、
イギリスのドラマで「シャドウライン」。

これがハリウッドとは一線を画すつくりで、
前後関係や人物相関をほとんど説明することなく
唐突に物語は始まり、
淡々と物語は進み、
明確なとっかかりを示してくれず
アクションで押しきるというハリウッド演出も皆無で、
どこまでも静かで暗く、地味、わかりにくいという代物。

でもこのドラマ、もういいやと決断しようにも
何かしら続きも観たいと思わせられる惹きがあって、
ゆえに現在は溜めこみ中。

疲れているときには視聴時の睡眠導入効果が激しいので、
時間のあるときにまとめて観ますです。

こうして吸収しているハードボイルド要素は、
来年に出るはずの長編にてこれでもかと発揮する予定です。
こっちは企画だけが通って全然着手できていないのだけれど。

そもそも現在進行中のものも小さな違和感がいびつに顕在化しつつあり
現時点ではとても晴れやかな気分で年は越せなさそうだったりするのですが、
おもしろいと感じる要素は人それぞれ、
だったら自分がこれだと思えるおもしろさを
誰にも媚びることなく追求して、
やけくそ気味に書き殴り、
そいでもってつき抜けるがごとく開き直って書きます。

と、自らを鼓舞する日々です。

2013年11月25日月曜日

今週の一枚 FIVE FINGER DEATH PUNCH「The Wrong Side Of Heaven And The Righteous Side Of Hell Volume2」

いきなりの断言ですが、前作「Volume1」より良い!
ただ単に完成度が高いのではなく、すんごい作品!
めっちゃ惚れた!

最大の魅力は後述するとしてこの「Volume2」、
前作の「Volume1」がヘヴィな楽曲を中心に構成されていたのに対し
メロウな曲が多くなっていて、バランスが格段によくなっています。

激しく始まる#1から、
コリィか?と言いたくなるストーンサワーっぽい#2での歌いっぷり、
激烈ながらサビの「why should I」が印象的な#3という流れがものすごく自然。

中盤は中盤で、
歌メロを前面に出した#5(サビがまたいいんだ)に
ごつごつした岩肌を転がるような#6ときて、
美しい小品#7(ブルージーなギタートーンが泣ける!)、
アイヴァンのうまさが光るドラマティックなパワーバラード#8、
そして音の数が多く、重く、躍動する#9と隙のない展開。

終盤への不吉さを感じさせる#10は
サビで男泣きな歌を聴かせてくれるし、
#10の不吉さを不穏な空気に変えたうえで
雲間から差す光のようなサビで吹き飛ばしてしまう#11も魅力的。
さらには
西部劇?メタリカ「The Unforgiven」の現代的解釈?といったおもむきの#12では、
こういう味わいってアメリカのバンドにしか出せんよなぁと感心するばかり。

しかし、この作品が「ただ単に完成度が高いアルバム」で終わっていないのは、
上記の楽曲のすばらしさにくわえて
それらの楽曲が霞むほど素晴らしい#4の存在。

あまりこういうことを断言すべきではないんやけど、
とはいえ時が経つのは恐怖するほどに早いもので
すでに今年もあと一ヶ月ちょっとなわけやから、
開き直って言いきってしまうと、
この#4、俺の(勝手な)今年の楽曲ベスト3に確実に入ります。
ベスト1の最有力候補。
名曲!

めちゃめちゃ好き。
理屈ぬきに好き。

こんなところで声高に叫んでもしゃあないんやけど、
この曲はPVを切らなあかんでしょ。
そうすればストーンサワーにおける「スルー・グラス」のような
バンドのキャリアにおいて特別な一曲になりうると思うのです。

イントロのアルペジオから抑えの効いた歌い出し。
圧倒的に美しいサビメロ。
サビの余韻を残しながら次のパートへつながっていくのもぞくぞくするし、
ソロの泣きっぷりはこの作品のハイライト!

作品とは何の関係もない私的な話になるけれど、
この曲のおかげで現在書いている物語の、
まだ俺の頭の中にしかない最後の場面に、
明確に血と肉と色と熱がつきました。
終盤執筆時にはこの曲をひたすらくり返すことになるでしょう。
いや、いいもんもろた。

ちなみに今回も前作「Volume1」同様にデラックス盤みたいなのがあって、
二枚組になっています。
前作がライブCDだったけれど今回はライブDVD。

視聴した感じでは音源そのものは前作のライブCDのものを使っているらしく、
それでいて映像はいくつかのショーや
フェスティバルのものをつなぎ合わせているから、
純然たるライブDVDではなかったりします。

結果としてライブの生々しさが削がれていてちと残念かなとも思うけれど、
このバンドのアリーナロックバンド然としたステージを堪能するには
充分な素材かなとも。

現代のアメリカのバンドならではの、
政治的なメッセージを強く出した曲を作っている一方で、
深刻になりすぎずロックの楽しさを追求しているライブでの
パフォーマンスが好印象でした。

2013年11月11日月曜日

今週の一枚 PROTEST THE HERO「VOLITION」

あいかわらずの変態ぶり。

複雑怪奇な変拍子、多用するタッピング、迷路のような展開。
プロテスト・ザ・ヒーローならではの要素は今回も健在で、
アルバム全体を流れる偏執的なまでのこだわりは
ただただ変態と呼ぶしかない代物。

何の前置きもなく変態的音世界にひきずりこんでくれる#1からしてそう。
歌に入ってからの後ろの演奏者の暴れっぷりと嵐のような流れは、
やっぱりプロテスト・ザ・ヒーローはこれでないと、と
膝を叩かずにいられません。

純然たる変態音楽なのは#3も。
曲の全貌をけっして聴き手につかませないまま、凄まじい展開に次ぐ展開。
それで最後まで飽きさせず聴かせてしまうんだから。

#7なんかはフックのよさも含めて変態的で、
困ったことに俺にはサビの拍が全然読み取れない。
いまだにわかってない。
展開、サビなどなどが、とにかく「らしい」#10なんかもおいしい。

ただ、このバンドがおもしろいのは
複雑でありながら歌メロは聴きやすく耳に残るという部分。

結局、聴く側にとっていちばん重要なのは歌であって、
それが音楽を大衆娯楽として成立させているわけで、
その歌の力を忘れていないところこそ最大の魅力かな。

剛速球の#2などは、
変態リズムとただでは終わらせない流れではあるものの、
サビのメロディがものすごくキャッチーでいい曲だし、
同じく速球の#8も歌いだしで泣けて、激しく速く、激烈で、格好良く、
それでいてバラードにもできそうなサビメロがよいのです。
このアルバムの中でも飛び抜けて完成度の高い一曲。
ソロ明けのアメリカンロック的なのもよいし、
終わりかと思ったところでもうひと展開なのがまた憎い。

いずれの曲も、
このバンドにしては比較的素直なアレンジで、
メロディを簡潔にしたことで以前よりも聴きやすくなって
その分の魅力が増したのではないかな、と。

高い演奏力のあるバンドが
本気で歌ものに取り組むという観点から言えば、
プログレッシブロックバンドの猛者が集まって
五分間のドラマにこだわったエイジアに相通じるものがあるのやも。
音楽性は全然ちがうけど。

そんなふうに思ったのは#11のイントロ。

この歌いだしは反則だわ。
上手い演奏者が引き出しの奥にしまっていたものをそっと出してきて
埃を払って久しぶりにやってみた、というようなおしゃれで軽い雰囲気で、
音楽の魅力という点ではこのアルバムでもずば抜けて輝いている。

曲調はすぐに「ならでは」の激しい渦になっていて、
それはそれでフックまみれで好きなんやけど、
この冒頭の雰囲気で一曲、つくってくれへんかなぁと思わずにはいられない。
あるいはドリームシアターにおける「Wait For Sleep」のような小曲でもいいか
ら。

直球のアレンジが今回は冴えていたアルバムかな。
この路線をこれからもやってくれるなら
次のアルバムはもっとおもしろくなりそう。

2013年10月25日金曜日

燃料補給に海外ドラマ

最近、物語にどっぷり浸かることがなく欠乏気味だったので
何かあれへんかと探し、
ちょうどウォーキングデッドが全話一挙放送ということだったから、
さすがに未だ録画機器がPSXなのにもきついよなあと
新たに機器を購入したうえで視聴中。

なので今日はそのへんについて。

まずはニキータ。

シーズン2の一挙放送があったので
途中からやけれどそれなりに楽しめるかな、と。

映画版の
あのじめじめとして救いのない雰囲気も好きなんやけれど、
開き直ったかのようにからりと仕上げたこのドラマ版も好み。

殺し屋の話で組織ものでありながら陰惨にせず、
あくまで娯楽ですよと言いたげなつくりは
理屈なく軽快に楽しませてくれて、
それはガラス張りの牢獄に閉じこめられたパーシーさんと、
そのパーシーからボスの座を奪ったアマンダさんが、
ガラス越しに紅茶を飲む場面に集約されています。
あんたら何してんの????という意味で。

どうでもいいけどパーシーさんが
「ペインキラー」アルバムからファイト結成時あたりの
ロブ・ハルフォードに見えて仕方がない。

次はウォーキングデッド。

世界的に大ヒット中とのことで以前から気になっていたゾンビもの。
ただ、シーズン1の終盤からシーズン2の中盤まではきつかった。
遅く、そしてイライラする展開に
途中で観るのやめよかなあと思ったし、早送りもしたけれど、
シーズン2の真ん中あたりにひとつの仕掛けがほどこされていて、
ここからが抜群におもしろくなっていきましたね。

このドラマが受けた理由は、
通常ならぼやかす、あるいは避けるであろう
残酷な描写に挑んでいるところなんかな。

その物語世界においては確実にあるだろうことを
テレビドラマだからと逃げるのではなく直球でぶちこんでいて、
それが鮮烈でね。

相当にえげつない表現やし、良識あるオトナからの反発もありそうやけれど、
表現において逃げなかったからこそ主題の重さを
光らせるという結果につながったわけで、
製作サイドの勝利と言えるでしょう。

ただ、本音を言うと
このドラマの魅力の八割はダリルさんに依拠しています。
かっこいいよダリル。

必死に三十時間ほどの一挙放送を乗り越え追いついたので
これからシーズン4を満喫します。

他には、
まだ始まったばかりのアンダー・ザ・ドーム。
スティーブン・キングの原作は読みたいと思ったまま読めずじまいだったので、
ドラマから入ることにしました。
スピルバーグがからんでいるからか、
そもそもスタッフが優秀だからか、
ものすごく丁寧なカメラワークと脚本で
これからの流れに期待。

最後はパーソン・オブ・インタレスト。

月曜から金曜まで毎日一話ずつ再放送をしていて、
現時点ではこれがいちばんおもしろい。

新感覚クライムサスペンスと銘打たれているけれど、
実際は現代風味に味つけした王道ハードボイルド。

王道であるがゆえに一切のごまかしはきかなくて、
だからこそ奇をてらうことなく真っ向から登場人物の魅力および
ドラマならではの仕掛けすぎない上質な物語で魅せてくれています。

犯罪を予知するマシンというシステムに対して
いろいろ言いたくなる方もいるやもしれませんが、
このドラマはそういうことではなく、
主人公の万能っぷりと、
主人公二人の関係性がどうなっていくのかってこと、
そして辣腕刑事が二人の主人公とどう絡んでいくのかという部分を
にやにやと楽しむのが吉です。

まだ序盤も序盤やから、評価が反転する可能性も
なきにしもあらずですがね。

そんなわけでこんなわけで海外ドラマを集中摂取中の日々。

補給した栄養を駆使してアクセルを踏みこみ、
とっとと次の本を書きあげんとね、と
自らに言い聞かせる日々でもあります。

2013年10月2日水曜日

今週の一枚 THE ANSWER「New Horizon」

完全なるおっさんホイホイ。

70'Sの、
ロックがハードロックと呼ばれるようになった頃の音です。
ある意味ではまんまやし、
でも具体的に誰かの模倣というわけではなく、
自然に演奏したらこうなった、という雰囲気がいいんよね。

肩の力が抜けていてブルージーで渋みがある一方、
ハードロックならではの緊張感と楽しさも詰まっていて。

マーケティングリサーチだのということをご丁寧にやっていたら
こんなグルーヴを出せんよと言いたくなる良質の空気感。
個人的にものすっごくツボ。

四人編成のバンドなんやけど、
それぞれの音がきちんと自己主張していて
それでいてがっちりとまとまっていて、
これぞバンドサウンド!ってのも良いのです。

その中でもコーマック・ニーソンの
憎たらしいくらいに上手い歌は、
どうせ若い連中が真似っこで70'Sっぽいことやってるだけなんやろ?などと
したり顔で言いたくなるおっさんども(俺みたいなのね)にこそ
聴いてもらいたい。
飛び抜けて上手いから。ホントに。

どこぞで試し聴きの機会がおありなら
骨太の#1から続くハードロックのダイナミックな音を愉しみつつ、
#4でメロウだけれど苦い大人のロックを堪能したのち、
粘っこく土臭い#7、ハイライトの#10などを堪能してもらえれば
だいたいご理解いただけるのではないかと。

で、もし気に入られた場合は、
2006年発売のものになるけれど
1stアルバム「RISE」に収録されている名曲「Be What You Want」に
さかのぼっていただけたら幸い。
ポップなのに泣けるんです、この曲。

2013年9月19日木曜日

今週の一枚 ANNIHILATOR「FEAST」

いつにもましてグロテスクな表紙(アリスさん、ゾンビ化?)も含め、
けっしてすべてのロックファンにはおすすめできないけれど、
こればっかりはもう、好きなので、としか言えないアナイアレーターの新譜。

とりあえず、ぶっとんでます。
#1の冒頭でいきなり、笑ってしまうくらいの超高速ピッキング。
これぞスラッシュメタル。これぞアナイアレーター。

躍動感とメロディが奇妙だけど耳に残る#2も「らしい」曲で好きなんやけど、
無軌道すぎてなんかもうくらくらするのにおどろくほどはまる#3とか、
序盤はスラップなんかで遊び心満載なのに
中盤からジェフ・ウォーターズならではのリフとソロでたたみかける#4とか、
一方で曲そのものはアナイアレーターならではなのに
サビで恐ろしく曲がる変化球を投げてくる#5とか
(このサビは若い子にはマキシマム・ザ・ホルモンっぽく聞こえるかな)、
それはもう聴き手を翻弄すべく好き勝手に暴れまくったあとで
唐突に持ってくるバラード#6のいやらしいほどの上手さ!
こんなん、イントロで泣くっちゅうねん。
メランコリックなソロでさらに泣くっちゅうねん。

#7#8#9と続く長尺の曲でのえげつないほどの展開美もしびれます。

個人的には#8の、
美しいイントロから一転する激烈さと、
ただひたすら美しく劇的なソロへの流れが強烈で、
とてつもなく好き。

計算された展開の妙味と、パンク由来の暴走っぷり。
それでいてすばらしく整合性が保たれた音像。
どの曲にも歌あるいはギターで印象的な箇所を用意しているという
作編曲の能力の高さもあいまって、
乱雑なのにかゆいところにはきちんと手が届く感じ。
ものすごく心地のいい作品です。

ちなみにデラックスエディションには
現メンバーによる再録が本編よりも長時間収録されていて、
俺は以前の作品をもの見事に聴き逃していたから
昔の曲への思い入れはさほどないし
「King Of The Kill」が聴けるだけでおいしい!
くらいに思っていたのだけれど、
やっぱり他にもいい曲をたっぷり持ってるねぇこのバンドは。

「Fun Palace」とか「Nozone」とか「Stonewall」とか、
当時に聴いておきたかった。

何度聴き直しても
やっぱりヒトには薦められないけれど、
なんかいろんなもんをふっ飛ばしてくれる音で、
俺にとってはこういうのが栄養剤なのです。

2013年9月3日火曜日

今週の一枚 MICHAEL MONROE 「Horns And Halos」

熱烈に追いかけているわけではないんやけど、
ふとした瞬間に聴きたくなるのです、マイケル・モンロー。

実は俺、
いまだに「Not Fakin' It」アルバムとか、デモリッション23とか、
当人にとっては葬り去りたい歴史であろうエルサレム・スリムなんかも
たまにひっぱりだして聴いていたりします。

で、このアルバムに収録されている#2のPVを観て、
「へえ新譜が出るんやあ」と思う間もなく格好よさにやられてしまい。

だって、これぞマイケル・モンロー!な曲なんやもの。
パンクでロックで、ポップでもあって、
にもかかわらずなぜかたまらなく切なくて。

このアルバムを買ってから怒濤のくり返しで聴き続けてます。
歌メロをなぞっているだけのギターソロが
おそろしく感動的なのもまた格好いいのです。

というわけで、
このアルバムは俺が知っているほぼそのままの
マイケル・モンローな内容。
タテノリでパンクで、Bメロからサビが心地いい#1からして、
これぞマイケル・モンローのアルバムだったりします。

中でも#2と同じくらい聴きまくっているのは#5と#10。

#5はイントロのギターもいいし、
歌いだしの寂しげな声がぐっと来ます。
優しい曲調やしメジャー展開ではあるものの
サビがハッピーになりきれなくて、
過ぎ去った思い出というか、
淡い記憶をなつかしむ感じが耳に残ります。

そして#10はね、理屈ぬきにこういうのが大好きなんです、俺。
華やかさとは無縁の寂れた裏通りの匂いがあって、
バラードと呼ぶには猥雑で、
ハードボイルドな雰囲気がそこはかとなく漂っていて。
こういうのが聴きたくてマイケル・モンローを聴いているようなもの。

とまで言うと暴論かもしれんけれど、
Not Fakin' Itアルバムの「All Night With The Lights On」とか、
デモリッション23の「You Crucified Me」とか、
そういうのを忘れた頃に聴きたくなる俺みたいなもんにとっては、
新たな名曲との出会いなわけです。

他にも、
ブラスの効かせ方がうまい#3や#11とか
ストレートなパンクロックの#4や#9、
何となくアルバムを再生していると必ずこの曲のサビで
意識が持っていかれる#7などもおいしくいただけます。
いいアルバムです。

その中でひとつ気になるのが#12。

#12はボーナストラック扱いなのだけれど、
なぜこれがボーナス?

ど真ん中のタテノリパンクロックで、
めちゃくちゃ格好いい曲で、
この曲こそマイケル・モンローのアルバムの一曲目にすべきちゃうの?
と俺なんぞは思わずにはいられません。
いや、それぐらいいい曲なんだもの。
謎や。

まあそれはともかくこのアルバム、
個人的な感想ですが最高に気持ちのいい、
とてつもなくクールなパンクロックアルバムです。

2013年8月23日金曜日

今週の一枚 HAREM SCAREM「Mood Swings2」

オリジナルを持っている作品の
リマスター盤とか再録音盤といったものは、
基本的には手を出さないようにしています。

だってどうしたってオリジナルが基準になるわけやから、
リマスター盤とか再録音盤を聴いてもまちがい探しにしかならへんねんもん。
オリジナル盤を持っていなければ購入対象になるけれど。

特に再録音ってやつは、
たとえば再結成したバンドが新譜の最後に
大ヒットした曲の2008年バージョン!みたいな形で収録したりするけど、
個人的にはなんかなぁと感じる変貌ぶりだったりしまして。

そうなるのも当然なんやけどね。
レコーディング機材も含めて時代がちがうし、
当時より演奏技術は向上しているし、声が変わっていたりもするし、
演者が新たなアレンジを加えたくもなるやろうし。

そのバージョンが今のバンドの音なんだと認めるべきなのでしょうが、
俺なんかは最初に世に出たバージョンこそ
最も尊重されるべきだと思うのです。

だから当初、このアルバムの存在を知り、
ハーレムスキャーレム再結成であの名盤のパート2!と期待したら、
二十周年記念に合わせて何かしようにも
権利関係でオリジナルの音源が自由になれへんから
新たに録音したという経緯らしく、
だったらいいやオリジナル盤も持っていることやしと
流すつもりでした。

ですが。

やはり中身については気になり、
ウェブで試し聴きができたのでどんなもんかとアクセスしてみたら、
再現度の高さにひっくり返りそうになりまして。

ほぼまんま。

高い技術を持ったバンドなのは知っていたけれど、
どうやったらこんな再現度の録音ができるのよ。

表現者として、ミュージシャンとして、
絶対に二十年の成長を入れたくなるはずなんです。
そこをぐっと我慢してオリジナルの再現に徹したプロ魂にしびれました。

で、内容はというと、
元々この作品は俺にとってとても特別な一枚でして、
無人島に持っていくCD10枚を選ぶとしたら?みたいな質問があれば
確実に入るものだったりするわけでして、
はっきり言うと掛け値なしの名作なわけです。

このアルバムの、というか
ハーレムスキャーレムの魅力はなんと言ってもメロディ。

すべての曲に美しく、胸をくすぐられ、
泣きそうになるメロディが入ってます。
誇張じゃないのよ、これが。

いい具合のグルーヴからつき抜けたサビにいたる#1。
クイーンのような分厚いコーラスワークと
「The Show Must Go On」を思わせるサビの#2。
どことなく漂う切なさとポップな曲調がうまく融合した#3。
イントロのカッティングを完全再現し、
一切の隙なく聞き手を翻弄する歌メロから、
これぞロックの躍動感!熱くならないわけがないサビの#4。
ブルージーで土臭く、ハリー・ヘスののびやかな歌にしびれる#5。
Bメロからのサビの激しくも美しい流れに当時も、
そして今も容赦なく持っていかれる#6。

ああ、もうたまらん。

#6で歌っているダレン・スミスはちょっと声が変わって、
テッド・ブレット(サンダーヘッドのヴォーカル兼ギター)のような
荒っぽさになっているけれど、これはこれで好き。
だって前述の無人島云々の質問があったとしたら、
サンダーヘッド「Killing With Style」アルバムが入るほど
好きだったりするので。

泣きっぷりが当時と変わらないインスト#7。
これまたBメロからのサビがえらく耳に残る#8。
そして名曲、最高のバラードのひとつ#9。
イントロも歌いだしもいいけれど、
なんといってもサビにいたるまでの流れがね。
あまりの美しさに呼吸すら忘れる。

#10は唯一、オリジナルとちがうアレンジをほどこしてあるんやけど、
この英断とセンスがずば抜けている。

この#10、オリジナルではアカペラ曲で
俺にはオリジナル盤で唯一ぴんと来ない曲だったのですが、
アコースティックバラードの小作品に仕上げていて、
これが抜群によくなっている!
こういう判断力と実行できる演奏力が才能なんやろうねえ。

そして最高にハッピーなサビが炸裂する#11で本編は終了。

本当、時代を超越する完成度です。

ボーナストラックは、
#12なんかは「HUMAN NATURE」アルバム以降の
ハーレムスキャーレムを象徴するような曲かな。
歌いだしがプリティメイズっぽかったりもするけれど、
サビにはきちんとカタルシスが用意されてて、ええのよ。

#13はちょいとめずらしいタイプの曲かな。リフがね。
キャッチーなサビには、思わずにやりとします。
#14は良質なパワーバラード。メロディの優しさが響く。

感情的な文章になっちゃいましたが、
それもこれも思い入れの強さゆえです。

すべてのロック好きに、
一人でも多くのヒトにこの作品が届けばいいなあ。

2013年8月21日水曜日

近況メモ

本日、とある出版社の編集者および編集長の方と打ち合わせ。

ある程度の流れを組んだ企画より、
もやっとしたまま持っていった企画に興味を持たれる。

はてさてどうしたもんかと、帰る際に三十分ほど歩いてみて、
今回は使えなさそうな案とか、
今回の企画に乗せたらうまくいくかもしれんという案を思いつく。

まずはこの企画を通さにゃね。

担当編集氏がサバスのアルバムを聴いていたり、
先日、当ページでとりあげたFIVE FINGER DEATH PUNCHが気になっていたりと
何かと酒とともに話し始めたら楽しくなりそうな方なので、
しかも同い年なので、
そういう意味でも仕事についても大いに期待しつつ。

そんなこんななので、
現在書いている長編を迅速に、
でもって妥協は一切せずに、
追いつめられたらごくたまに能力以上の力を発揮するはずの自分を信じて、
速度と熱をあげて仕上げにかかります。

それはそれとして、
明日8/22発売の小説新潮九月号に
短編「求愛の音色」が掲載されます。
見本が届いていないので確認はしていませんが、
掲載されているはずです。

「絶対服従者(ワーカー)」とは
似て非なる表現と方向性を持つ物語になりました。
お楽しみいだたければ幸いです

2013年8月13日火曜日

今週の一枚 FIVE FINGER DEATH PUNCH「The Wrong Side Of Heaven And The Righteous Side Of Hell Volume1」

以前からアルバム単位で聴きたいと思っていて、
ものの見事に機会を逃していて、
こういうのは新譜のタイミングで手に入れて聴くのがいちばんやわな、と
バンド名を漠然と頭の片隅に入れていたら、
いつのまにか八月初頭にこのアルバムが出ていて、
ここしかあれへんやろとリーダートラックを視聴し、購入決定。

直撃。

#1が、いい意味でストーン・サワーっぽく、
重く太くうねりながらもメロディが印象的で、
ど真ん中に好みの音でして。

しかもこの曲にはメタルゴッド、ロブ・ハルフォードが参加していて、
完成度が見事という他ない。

超高音シャウトではなく中音という
実はロブはこっちのほうが魅力的というところを
ピンポイントでついているのがいいし、
ロブの魅力がこれでもかと前に出ていながら
バンドのヴォーカリストであるアイヴァンの良さも食われておらず、
誰も損をしていないんよね。

こういう曲でのロブのうまさはずば抜けているなというのも改めて感じたし、
今こそFIGHTを復活させるべきではないのか、
なんてことも思わせてくれる良質コラボ。

このバンド、基本は激烈な重低音曲が武器なんやけど、
激烈さの余韻を残したまま間髪入れずにバラード調の#4に運んでみたり、
#9で流麗なアコースティックギターを聴かせてみたり。
特に#9は、いいよ。アイヴァンのうまさが光っている。
このバンドにグロウルやスクリームは必要あれへんと思えるほどの魅力。

語りを入れたギターインストといった趣きの#11の劇的な展開は、
このバンドの底の深さを味わわせてくれます。
アイヴァンの切々とした語りに絡みつくギターの音色がね、ぞくぞくする。

言ってはいけない言葉の連呼が耳に残って心地いい#5とか、
ロックでありメタルなんやけど哀愁漂う曲調の#7なども
個人的にはかなりお気に入り。
ただし、#7はボーナストラックとして収録されている
デュエットバージョンのほうがいいかなとも思うけど。

いずれにせよ、
端的に言うと、
俺は好き。
めちゃめちゃ気に入った!

あと、このことも書いておかにゃ。

ライブ音源を収録した二枚組も発売されていて、
こっちがまた硬く太い音でいいんやけど、
ライブのMCでアイヴァンが言い放ってます。
「ネクスト・ジェネレーション・ヘヴィメタル」とね。

とかくアメリカの音楽シーンでは
スクリーモだのメタルコアだの、
あげくのはてにはニューメタル(NU-METAL)だのという
奇妙奇天烈なジャンルをつくって区分けをしたがるけれど、
というか意地でもヘヴィメタルという言葉を使わない姿勢を貫いているけれど、
そんなもんどうでもええやんけと言わんばかりの
上記の言葉に、震えました。

娯楽の過剰な細分化は、もうやめようよ。
受け手を分散させるだけでしかないもの。

ということを考えたりもしたアルバムでした。

2013年8月5日月曜日

今週の一枚 30 SECONDS TO MARS「Love Lust Faith + Dreams」

俳優でもあるジャレッド・レト率いるロックバンド。
という説明では音楽について適切に伝えられない気もするけれど。
ちょっと前に出た、これが四枚目のアルバム。

ファーストアルバムがグランジというか暗い作風だったのに対して、
セカンドアルバム「ビューティフル・ライ」で
劇的な展開に磨きがかかりつつも普遍的なロックの音になり、
かつジャレット・レトの歌が表現者として二段階ぐらい上にいってて、
めちゃめちゃ魅力的になったという印象を持ってます。

三枚目のアルバムはいつのまにか出ていて、
気がつかなかったので聴いておらず、
個人的には久々の30SecondsToMars。

このバンドはジャレット・レトの歌もいいんやけれど、
ピアノの使い方と、ドラムがいいんですよね。

特徴的な展開の劇的さはドラムに拠るところが大きく、
あと要所でぽんと入ってきて耳に残るピアノがね、ツボなのです。

このアルバムではセカンドと比べてメロディがポップになっているから、
劇的ではあるけれどハッピーな雰囲気が漂っていて、
そこにジャレット・レトの、悲痛というほどではないけれど
心をにぎりしめて絞りだしたような歌が乗っているから、
何とも言えない不可思議で、優しくて、でも儚げで。

例えようもない音世界になっています。

PVになった#3もいいけれど、
#3同様にポップな#4とか、
セカンドアルバムに収録されていそうな#5、
ほんのちょっとコールドプレイっぽくもある#8や#9がおすすめ。

特に#8と#9は、
ものすごく前向きなエネルギーに満ちていて、いい曲なんだわ。

GOO GOO DOLLSとかこのバンドは、
もっともっと多くのヒトに聴いてほしいなあと
願わずにはいられず、
頼まれてもいないのに自分の作業の合間をぬって
こんなものを書いている私なのでした。

2013年7月15日月曜日

今月の一冊 「フェア・ゲーム」ヴァレリー・プレイム・ウィルソン他

先月から続けて読んでいたイラク戦争関連のルポについて。

まずは「戦場の掟」スティーブ・ファイナル。

これはイラクで活動していた民間警備会社に同行した記者による著作。

イラク国内で物資輸送の警備を請け負っていたその企業のずさんな業務内容。
そこで働いていた経歴もさまざまな傭兵の姿。
戦争の大部分を民間に委託されたことの弊害。
傭兵を裁く法がないイラク国内でくり返される暴力行為。
そして起こってしまった傭兵の拉致事件について淡々と描いている。

一方「フェア・ゲーム」は、
夫がイラク戦争の大義に疑義を呈したため
CIA諜報員の身分と本名を明かされてしまった著者による自伝。

イラクがニジェールからウラン精鉱を購入したのではという疑惑があり、
その調査を依頼された元外交官の夫が、
戦争機運の高まる国内情勢を憂慮してメディアで発言し始めたことにより、
ホワイトハウス高官によって妻がCIA諜報員であると明かされたのが事の起こり。

二作ともすばらしい本だったので詳細は書きませんが、
それぞれから少しだけ引用を。
改行は当ページの設定の問題により
管理者が勝手にやってしまったことですのでご了承ください。

〜現実には、リスクは中程度どころではなく、誰も認めたがらないほど大きい。
それに、イラクの警備の仕事はフルタイムだ。
ジェットスキーをやっている暇などない。
戦争に切れ目がないので仕事にも切れ目がない。
「それがこの仕事でいちばんひどいところだ。考える時間がない」
ハイウェイを走っているときにコーテが言った。「毎日働きづめだ。
たまには一歩離れて、じっくり観察し、自分に問いかけるべきなんだ。
おれはなんのためにここに来たのか? 
これをやっているほんとうの理由は?
ほんとうにやり甲斐のあることなのか? 
でも出かけていっては攻撃を受けるというくりかえしだ。
そのうちに無感覚になる。そして、ただやるだけになる」〜
「戦場の掟」より

〜同月10月、ジョーは『サンノゼ・マーキュリー・ニューズ』に
「サダムはいかに考えるか」という原稿を発表した。その中でジョーは、
"イラクを無力化しようとする軍事行動、合衆国と国連にとっては
最高となるはずの軍事行動が近づいている。合衆国が求めているのは、
国際的に合法化された乱暴な無力化政策である"と綴っている。
新聞だけではない。
CNNの『ポーラ・ザーン・ショー』、ABCの『タイムライン』、
PBSの『ナウ・ウィズ・ビル・モイヤーズ』にテレビ出演して、
さらに自説を説いた。
ジョーの自説は当時のアメリカにおいては少数意見だった。
彼は、イラクとの戦争はアメリカ政府が市民に約束しているほど
容易に終わるものではなく、建設的な結末も、
もたらさないかもしれないと言い続けた。
ジョーはサダム・フセインに会った最後の外交官であり、
アフリカや中東で長年外交官として勤務した経験から、
この問題について独自の意見を持っていた。〜
「フェア・ゲーム」より。

イラク戦争って、いったいなんやったんやろね。

上記二作を読んでマイケル・ムーアの
「華氏911」の最後のシーンを思いだしたりも。
大義のない戦争で失った命って、
為政者にとってはどういう意味を持つのだろうって。

図書館でたまたま見つけた本に
ブッシュ大統領の発言としてこういう一文が載せられていて、
受賞者動画の取材中に見つけたもんやからメモをなくしてしまって
正確ではないんやけど、たしか「私は感性でやる」。
その前の文章がうろ覚えで、
「過去の大統領は統計などの情報を判断の材料にしていたが」とか、
そういう趣旨だったような。
このあたりは不鮮明なのですみません。

とはいえ、感性で世界一の超大国を動かしてしまう、
そんな大統領を選んだのもまたアメリカなわけで、
それは二大政党制の最大の弊害ではないのかなと。

じゃあ多数の政党が存在する日本はどうかというと、これはこれでねぇ

票が一極集中になりかねない現状において、
今度の参院選には不毛なものを感じずにはいられなかったりはする。
するけれど、それでも民主主義国家に生きているわけだから
投票して数少ない権利を行使せにゃいかんよなと。
でも踏ん張らにゃいかんはずの野党側の争点が
見事にぼやけてしまってて何だかなぁと。

そんなことに思いを馳せた三連休最終日でしたとさ。

ところで、アベノミクスなるものの経済効果を
俺が実感できる日って来るの?

2013年7月1日月曜日

今週の一枚 HIBRIA「Silent Revenge」

全世界の(とてつもなく濃い)メタルファンが
心の底から待ち望んでいたヒブリアの新譜!
要するに俺が待ち望んでいたヒブリアの新譜!

暑い季節をさらに暑苦しくさせる、
濃密で鋼鉄な音がぎっしりつまっています。
はっきり言って悶絶です。

今回はこれまでより超絶技巧を駆使してて、
凄腕たちによってつくりあげられるグルーヴの心地よさという意味でも
楽曲の雰囲気という意味でも
現在の五人編成サーベル・タイガーのよう。

サーベル・タイガーみたいやなって思ったのは
圧倒的に重く、速く、テクニカルな#1ゆえ。
転調も含めてサーベルっぽくて、
アルバムの冒頭でそんなもんをたたきつけられたわけやから、
ヒブリアもサーベル・タイガーも好きという俺みたいなもんは、
これで熱くならへんはずがない、という次第。

その余韻をひきずったまま
一撃必殺のリフ#2が来られるとね。そりゃあ悶絶もしますって。
特にこの曲はサビとギターソロがやたらと格好いい。

#2にかぎらず今回のアルバムはギターが冴えまくっているのが特徴かな。
中でも#3と#5のソロは絶品。

#3はBメロからサビへの劇的な流れもいいし、
途中のピアノバラード部分はこれだけで一曲つくってほしいぐらいなんやけど、
そこからのねっちこくて官能的で激しいギターソロが、ずるい!
しかも裏側ではベースがこっそり超絶技巧をやってのけてるし。

#5は、じっくり歌いあげるAメロでユーリのうまさを再認識したりもしつつ、
右肩あがりに盛りあがっていくBメロと来て、
めちゃめちゃうまいとしか言いようがないソロという展開。
右チャンネルって新加入のヘナート・オソーリオなんかな。
ソロの構成がおもいっきり好み。

あと、ギターソロではずせないのは#9。

この曲、八分もあるんですわ。
で、どんな曲かと聴いてみたら直球のヒブリアらしいメタル曲で、
これで八分を突っ走るのかと思いきや、
途中で恐ろしく跳ねまくったシャッフルからのギターバトル!

「Shoot Me Down」のアコースティックバージョンを
ジャズっぽく仕上げてしまうヒブリアならではの遊び心やね。

ただ、シャッフルって言ってもいいんかな。
ペダルは途中で三連符の真ん中も踏んでるし、
何よりも跳ねすぎやし。まあシャッフルということにしとこ。

ギターが充実している一方、歌はどうかというと、
歌は歌でこれまでになく練られている印象。
元々、ヒブリアはどの曲にも印象的なメロディがあるんやけど、
今回はさらに一歩進んでいるといった感じ。

#2#3#5の歌も魅力的やけど、
特に聴き入ったのは#6。

アコースティックバラードで入って、
ミディアムテンポの重い曲になっていくこの曲、
おもいっきり男泣きです。
おそろしく重く激しいパワーバラードと言うべきなのかな。
歌がたまらんのよ。
その歌の哀愁を増幅させている裏側のベースもいい仕事をしているしね。

で、
歌だけでなく楽曲の魅力においても
このアルバムで個人的にいちばん好きなのが#8。

イントロがリッチー・ブラックモア? レインボー? と驚かされ、
そこからのリードで悶え、
ヒブリアにしては比較的キャッチーで
ヒブリアにしては比較的メロウな歌に入るわけですが、
もうね、AメロからBメロ、サビまでの流れに一切の隙なし。
まいった。めちゃめちゃいい。

てなわけでこのアルバム、
わざわざ俺が言うまでもないことですが、
(とても濃い)メタルファン必須の一枚です。

追記。
最後に、どうしてもふれておかなあかんのが、
日本盤ボーナストラックの#10。

あの、もろです。
狙っているとしか思えないほど「Tiger Punch」です。
リフから歌、特にサビなんかはあからさまです。
あからさますぎて本編からはずれた?

ただ、やっぱり格好いいんですよ。
問答無用なんですよ。
こういう音だからこそヒブリア、好きなんですよ。

2013年6月24日月曜日

今週の一枚 GOO GOO DOLLS「Magnetic」

ただただ、好きなんよねえ、このバンド。

気取った言い方になってしまうけど、
子供の頃に忘れてきた何かを思いださせてくれるような音、
とでも言うべきなのかな。

青臭くてつい照れ笑いを浮かべたり、
たまらなく甘酸っぱかったり、
場合によっては胸がうずく痛みを伴っていたり、
そんな過去をふっと蘇らせてくれる、そんな感じ。

リードトラックの#1はやけにポップで、
今のアメリカの社会情勢が反映されているのかなとも思ったり。
ボンジョヴィの新譜のリードトラックも似たような感じやったしね。
長く陰惨なイラク戦争を経て、ポジティブな未来を築こう、
みたいなのがあるんかな、と。

でもこのアルバム、内容はやはりいつものGOO。
哀愁漂う、そしていろんなもんが去来する、らしさあふれる音。

イントロのアルペジオで、ぐっと来る#2。
ポップなのにもの悲しい#3。
そして二度と戻ってこないものを振り返るかのような#4。
いや、それは歌詞がそういう意味とかではなく、
曲から受けた俺の個人的な印象ってことね。
バラードじゃないのに、ロックソングなのに、
なぜか俺にはそんなふうに聞こえるんよ。
いい曲なんだわ。

あとはつきぬける空のようなイントロとサビの#9とか、
これぞGOOのロックソング!と言いたくなる#11。

#11のこの切なさって何なんやろね。
去っていく何かを見送らなくてはならない無力感というか、
青春ってもんを振り返るときに必ずつきまとう後悔とか未練を、
純度を高めて形にしたような。
こういうのが胸に響くわけです。

そしてこのアルバムでいちばん好きなのが#8。
悲劇的な別れのような、
前向きだけど取り返しのつかない結末のような、
あるいは崩壊からの再生のような。
言葉にできないものが音と音の隙間にびっしりつめられていて、
これはあかんわ。泣ける。泣かずにはいられない。

夏のからっとした日にもいいけど、
長雨の夜に聴いていたい、そんなアルバムです。

2013年6月19日水曜日

今週の一枚 BLACK SABBATH「13」

今週の一枚 BLACK SABBATH「13」

トニー・アイオミのねっとりしたギターと
ギーザー・バトラーのうねりまくったベースの上に
オジー・オズボーンの声が乗りゃ、それはブラックサバスになるわけで。

しかも今回はリック・ルービンのプロデュース。
スリップノット「VOL.3」アルバムでは
すさまじい数の音をひとつずつ分離したうえで躍動感のある音にしてのけ、
メタリカ「デス・マグネティック」アルバムでは
スネアにエフェクトをほどこさなかったりと生々しくも激しい音に仕上げ、
アデル「21」では古いロックの土台に乗せることでアデルを
三段階ぐらいひきあげた、
あのリック・ルービンですよ。

期待すんなっていうほうが無理。

で、音なのですが、
これがまたまごうことなきサバス!

重い。遅い。禍々しい。
とにかく徹頭徹尾、そんな音。
しかも現代的な重さとか遅さじゃなく70年代のサバスそのものの重さ。
音づくりにいたるまで70年代なのがいいね。
音圧だけ現代レベルまであげた70年代の音と言うべきかな。
リック・ルービンの仕事が活きている。

ひょっとしたら若い子には物足りないかもしれんし、
古くさく聞こえるやもしれんけど、
これがオリジネイターなんだよとおっさんは声高に叫びたい。
いや、リアルタイムでは聴いてへんけどさ。

オリジネイターの証拠というか、
サバスらしいこの作品の特徴は、なんと言っても曲が長いこと。
四分台は#4と#6だけ。あとはすべて七分以上。
#1と#2は八分を超える。
これだけでいかにサバスらしい作品かわかるでしょ。

「Black Sabbath」とか「War Pigs」とか、
ああいうのが好きなら確実ににやにやすること請け合い。
音楽性が音楽性だから飛びあがって喜ぶというよりは
うつむいて全身を傾けたくなるという感じかな。

サバスが好きなヒト、
スピリチュアル・ベガーズとかザ・ソードとかで
重く遅いのに目覚めた若い子にもおすすめしたい一枚。
トニー・アイオミとギーザー・バトラーのリフの冴えがね、ぶっ飛んでます。
めっちゃくちゃ気持ちいい。

ただ、買うなら二枚組のデラックスエディションにすべき。

デラックスエディッションは要するに二枚目にボーナストラックを収録ってこと。
昔はそういうのって選考からもれた曲なわけで、完成度は低かったわけですよ。
でも最近はそうでもなかったりして、
何となく一枚だけのものを選んだら後悔するやもという予感もあったので
二枚組にしたんやけど、正解でした。

二枚目の#1はサバスというよりオジーのソロっぽかったりもして、
だからアルバム本編には収録されんかったんかなとも思うんやけど、
この曲が強烈にかっこういいんだわ。
イントロのリフといい歌メロといい、個人的にこのアルバムでいちばん好き。
本編に入っててほしかった。

#2は本編同様のサバス節、重く遅い曲で、これもいいんよね。
#3は#3で、これまたリフがぶち抜けてるえぐさ。
こっちもやっぱり本編に入れててほしかった曲。

てなわけで、
二枚組商法の是非とか効果はさておき、
二枚目に収録されている曲をサバス好き、
ちょっとだけサバスに興味があるロック好きに届かないというのは
非常にもったいないというおっさんのお節介により、
デラックスのほうを心からおすすめします。

2013年6月10日月曜日

今週の一枚 OUTRAGE「OUTRAGED」

このバンドの魅力のひとつは、
無秩序なほどの拡散性にあると思っています。

名作「THE FINAL DAY」が発売されたとき俺は中学三年で、
「日本にこんな強烈なメタルバンドがいたのか!」とぶっ飛んでしまい、
それがあまりに鮮烈だったため次の「SPIT」アルバム以降は
曲の多様化についていけずほとんど聞かずじまいでした。

まだまだ耳と心が若く、ある特定の音のみを追いかけてしまう年頃だったからね。
だからこのバンドの拡散性がとてつもなく魅力的だとわかったのは、
二十周年記念で再発された旧作をじっくり聴いてから。

そういう観点からいくと、
前作「OUTRAGE」アルバムは橋本直樹復帰作ということもあって
直球のごりごりスラッシュメタル路線、
もっと言うなら構成においても曲においても
名作「THE FINAL DAY」アルバムを意図的になぞっていたから、
このバンドの持つ拡散性という部分はさほど出ていなかったかなと。

前作は前作で復帰作にふさわしい、
それでいて歌メロは当時よりはるかに洗練されていて焼き直し感はなく、
ファンが求めていた以上の作品だったわけで、
「THE FINAL DAY」アルバムにすさまじい思い入れがある俺にとって
狂喜乱舞ものの名盤なのは事実なんやけどね。

で、復帰第二作である今回のアルバム。
この拡散性がすさまじい形になってるわけですよ。
なんと言うても#3と#5なわけですよ。

どちらも既存のアウトレイジの音からは離れてて、
#3は、こんなふうに例えると誤解を招きかねないんやけど、
ちょっとだけブラック・ストーン・チェリーのよう。
うねりのある泥臭いリフに男泣きのサビメロがね。
アウトレイジでこういう音が聞けるとは思わなんだ。

#5は、力を抜いた歌いだしからの感情的なサビが、もう最高。
これはバンドの新しい武器たりえるでしょ。
めちゃめちゃいい曲。
しばらくはこの二曲だけを延々と聴いてたほど。
あえてこの曲をPVにしてほしかったくらい。

あとは#9。
アウトレイジのメタル曲で、ここまでサビが記憶に残る曲ってあったやろか。
いや、驚いた。
サビメロに絡んでくる阿部洋介のギターがまた泣けるんだわ。
俺は阿部洋介の荒々しく粘っこいリードギターが大好きなんだなと再確認。

他にも爆走曲#4や、
前作から続く直球アウトレイジ曲の#7、
へっぽこベース弾きとしてはこういうのに憧れるんですよ!な#8、
もちろん問答無用な#1など、
大音量必須な音楽が好きでたまらない聴き手を的確にくすぐってくれます。

めっちゃかっこいいよ。

何もかもを吹き飛ばしたいヒトに聴いてほしい一枚。

日本のバンドということで、
メンバーのお名前に敬称をつけるべきかとも思ったんやけど、
「さん」をつけると知人みたいになってまうし(一切面識なし)、
「氏」をつけるのも何だかなあとなってしまうため、敬称略でお届けしました。

2013年6月3日月曜日

今月の一冊 ロザムンド・ラプトン「シスター」

失踪した妹を捜す主人公ビアトリスの語りによって進んでいく物語。

時間軸がふたつあって、
ひとつは事件の真相をライト検事に話している現在。
ひとつは妹・テスの失踪を受けてイギリスへ戻ってきた過去。
合間にテスとの昔の会話が、ふと思いだしたみたいに挿入される。
 
すべての時間軸がテスに語りかける文体で統一されているから、
場面転換は多いけれど読みやすく、
けっして動きの激しい物語ではないんやけれど読む手がとまらなくなるという
ちょっと不思議な物語だったりもする。
 
これは、ちょいとネタバレせんと書けません。
ネタバレといってもあらすじを読めば何となくそうなんやろなあと
想像できる範囲のものやけれど、
サスペンス色のある物語なので読もうと積んでいる方はご注意を。
 
 
妹・テスが失踪したということで姉であるビアトリスがロンドンに戻るんやけど、
結局、妹のテスは死体で発見されます。
 
で、テスはすでに出産していたこと、
死産だったこと、
産褥精神病にかかっていたことが発覚し、
現実に耐えきれず自殺したのだろうという結論に警察も周囲も至る。
 
でもビアトリスは、テスが自殺したとは信じられない。殺されたんだと訴える。
しかしながら妹の自殺で混乱している姉というふうに周囲からは見られてしまい、
自分の主張が届かない。
婚約者にも母親にも理解してもらえない。
 
そこでビアトリスはひとり、
テスに何が起こったのか調べ始める。というのが大まかな筋。
 
テスがなぜ死んだのかという謎。
姉妹の関係性という人間ドラマ。
このふたつが物語の縦糸
と横糸になっているんやけれど、
個人的には、
提示された謎を玉葱の皮のように剥いでいくような文章が魅力的だった。
 
謎の剥ぎ方がめちゃめちゃ丁寧なんよね。
 
丁寧な文章かつ過不足もないからまどろっこしさが一切なくて
ものすごく読みやすい反面、
静かな文体で優しく導いてくれるのに
導かれる先にどんどん不穏な分厚い雲がたちこめていくもんやから、
なかなか本を閉じることができなくて。
 
一方で、この小説には技巧を重視している側面もあって、
中盤以降、真相はどこにあるのか、
物語はどこへ行き着くのかと読み手を不安にさせつつ、
最後までぼやかして惑わしたあげく、
つきまとっていた灰色の世界を一気に毒々しく色づかせる結末が。
ものすごく鮮烈なのです。
 
そのあたりはここで書いたらおもしろくもなんともないので割愛。
 
著者は姉妹関係を主軸に書いたらしいけれど、
サスペンスとして味わうのもいいかな、と。
むしろ俺はそっち方面の小説として大いに楽しめました。
 

本編とは関係ないけれど、
巻末に著者インタビューが掲載されていて、
ちと長いけれどその一節を引用。
 
質問:作家を志す人にアドバイスはありますか?
とにかく挑戦して! たとえ断られても、挑戦を続けて。わたしが台本作家の世界に
「入りこむ」ことに成功する前に受け取った断りの手紙を全部つなげたら、
小さな部屋の壁を埋め尽くすぐらいになるはずです。
だから小説を書くようになった時には覚悟ができていました。
作家に、あなたの努力は無駄ですよと告げることが仕事のような人たちもいるのですから。
自分の本の、絶対に譲れないところは守ると同時に、
書き直しが必要となれば、たとえ大幅でも、自分が言いたいことが変わらない範囲で
書き直す勇気をもつことだと思います。運不運はあると思います。
わたしの場合、原稿を持ちこんですぐに編集者のエマ・ベスウェザリックに出会えたことが、
ラッキーだったと思っています。
 
あなたの努力は無駄ですよと告げることが仕事のような人たち。
それ、俺の中にいつもいて、誰よりも辛辣に、俺へ向けて言い続けてるなあ。
なんてことも思ったり。

2013年5月20日月曜日

今週の一枚 THE VIRGINMARYS「King Of Conflict」

ガレージロックというかパンク寄りというか、
荒っぽいけれど聴きやすくもあるロック。
 
#1が、乱雑なんやけれど、
乱雑でありながらAPPLEのCMで使われそうなおしゃれさもあったりして、
でもロックファン以外には眉をひそめられそうな荒さで、
この狙ってはできない絶妙な感じがめちゃめちゃ好み。
 
たぶん、これ以上おしゃれになってもうたら俺は避けてしまうんやろね。
(理論としてのスケールではなく活動規模という意味での)メジャー感にあてられると、
すんません許してくださいと何もしていないのに謝らざるをえなくなる、
根っから日陰者、
あるいはいろんなものをこじらせたまま大人になっちまった輩なのでして。
このくらいの雑然さが、ちょうどよくて、たまらないんです。
 
とりあえずペンタトニックやろ、
できればブルーノートスケールで、
という貴兄におすすめ。
 
あとは、THE BIRTHDAY好きにもいいかも。
#3とか#6。特に#6がね。
これはPVをつくってロック好きに押しこんでほしいなあ。
(こっちは理論としての)メジャースケールの土台に
雑なギターと雑な歌をぶちまけて仕上げたこういう曲、あかんのよ。弱いのよ。
涙腺に直撃する。
 
かと思えば大人然とした#8があったり
(これを書くにあたりじっくり聴いてはまった!)、
サビメロや中間のブルーズセッションに地下室のような深みが漂っていて
これ本物やん!と叫びたくなる#12とかもあったり、
シャウト勝負な#2、リフでぶん殴られる#10、
かきしむられるような叫びっぱなしのサビ#11などもかっこうよく、おいしい。
 
これがたしかファーストアルバムやったかな。
このバンドとVINTAGE TROUBLEはセカンドアルバムが楽しみで仕方がない。

2013年5月6日月曜日

GW最終日に独り言。

自分用の記録をかねて。
というか、ほぼそれが主目的。
 
まずは短編。
ようやく最終段階へ突入。
GW明けに、あともうひと悶着、ひと波乱、ひと苦悩を経て、
公開まで持っていけるかな、どうかな、いけるはずやけれど、というところ。
 
別に甘く見ていたわけではないけれど、
まさか短編でここまで深みにはまるとは思わなんだ。
 
それもこれも担当編集氏が採算度外視で向き合ってくれたから。
 
実際問題として実績もなければ名前も売れていない俺なんぞ
公開媒体におけるメインコンテンツにはなりえないわけで、
にもかかわらず「受賞第一作」という部分にこだわり、
真っ正面から向き合ってくれたのはとてもありがたいなと感じる次第。
まだ終わってないから、あともうひと悲鳴を俺はあげることになるが、
それはそれとして。
 
予定されているもうひとつの短編は、
現時点でかなり陰惨な雰囲気が頭の中に広がっているので、
それを元に寓話として仕上げる方向で。
作業開始は六月から。
 
三月末から書き始めた長編は順調に遅れていて
現時点で三分の一。
全体の流れはおおざっぱながらできているので、
それに合わせて細部をつめていき、
途中で短編執筆を挟みつつ六月末に書き上げる方向で。
と、ここで宣言することにより自らにプレッシャーを。
 
じゃないと、現在いただいている他の文芸誌の短編企画がまったく進められへんもの。
予想以上に現在の仕事をこじらせたせいで手が回らず、
すんません少し時間をください、などと
無名の物書きが絶対に言っちゃいかんことを言うてしまったわけで、
言うてもうたもんは仕方がない。
ようはおもろいもんを書けばええねや、と言い訳および鼓舞をしつつ
こっちの企画は七月からがっつりと。
新たに世界観が見えてきたのでそっち方面の資料も漁らにゃ。
 
俺ってやつは、自分で思っていた以上にマルチタスク性能のない生き物やのね。
 
それはそれとして最近、書いていないと不安になるという
かなりあかん兆候が出始めていて、
この兆候の先にあるのは書かなければならないという義務感なのでして。
 
そんな義務は誰からも背負わされてへんがな。
今の俺は、書きたければ書いてみれば、と言われる程度の立場やがな。
義務なんぞを背負うのは百年早い。
そういうのは俺の名前で本が売れて、
俺の名前で依頼がもらえるようになってからでいい。
 
書かなければいけない、ではなく
書きたい、という初期衝動にもう一度身をゆだねるために休息が必要だと
ゴールデンウィークは休み期間にしたんやけれど、
それはちゃんとした理由があるのでして、ただのサボタージュではないのです、はい。
 
 
いろいろ立てこんでいるせいで、買ってもやる時間はあれへんやろうし
むしろ買ってしまって没頭してもいかんなと「バイオショック・インフィニット」は
買わずじまい。
機会を逸したので安くなってからになるかも。
 
替わりというわけではないけれど、
以前から興味があった「L.Aノワール」なるアドベンチャーゲームが
新品\1,200で転がっていたので思わず回収。
 
これがまた欠点の多いゲームで。
 
オープンワールドにする必要あれへんやん、とか
車の操作性がひどいから尾行やカーチェイスが鬱陶しくてかなわん、とか
銃撃戦の操作性もひどいからまったくもっておもろない、とか
翻訳の問題か話がうまくつながってへんぞ、とか
いろいろ言いたいことはあるのに、
期待感を煽ってくれる趣味のいいメニュー画面だけでプレイ意欲を
そそられてしまうんやからあら不思議。
 
やってる最中はいらいらするんやけど、
上記の不満点を全部なくして
売りである対象者の表情を読んで詰問したり反証したりっていう
推理部分に特化したらおもしろいゲームになるんかというと、
おそらく薄味になってもうて、売りの部分すら殺してしまうんやろな、という気もするしね。
 
だって欠点のない、そつなくまとまった娯楽作品って記憶に残らへんもの。
いびつだけれどこの部分は抜群におもしろい!と言えるものこそ
娯楽作品としての存在価値があるんちゃうのかなと俺なんぞは思うのです。
 
とはいえこのゲーム、Xbox360版はDVD三枚組で、
今はまだ一枚目すら終わっていない状態。
今後が楽しめるか否かは未知数なのであしからず。
 
 
最後に身内と自分に対して、忘れないよう通達。
俺は、自分が思っている以上に煙草の匂いに敏感で弱くなっているらしい。
飲んで帰るまではよかったが、
帰っている最中の電車内で、自分の服についた匂いと電車の揺れにやられ撃沈。
尼崎で休んだら身動きが取れなくなり、ぎりぎり終電にて帰宅。
昨日は一日、録画していたプロレスを抜け殻のようにながめる始末。
よって、今後は影響を受けないよう(特に身内連中の前では)酒の量を抑えることを誓います。
だって以前はがんがん吸ってた俺が本気で、やめなさい、とは言えんもの。
 
このきつさは、以前吸っていてやめたもん特有の現象なのかもね。

2013年4月29日月曜日

今月の一冊 里見蘭「ミリオンセラーガール」

この小説、初っぱなから反則なんですけど。
 
冒頭は主人公の沙智がふられる場面なのですが、
怒り狂った沙智が手にした武器は、まさかのハモン・イベリコ。

店に吊ってある豚の腿、というか脚一本を彼氏に向かって振り回すんやもん。
そんなん持っていかれるに決まってますがな。
どんな話かなと手に取り、立ち読みして、にやにやしてしまいましたがな。
にやにやをごまかすためにさっさと買って立ち去らざるをえなくなりましたがな。
 
とまあ、ぶっ飛んだところから始まるこの物語。
端的に言うと、出版社の販売促進部、ようするに書店営業やね、
この部門に不本意ながら配属された沙智が、
何も知らないところから仕事を覚え、本気になっていくというもの。
 
何と言うても特筆すべきは出版業界の諸問題にがっつり切りこんでいるところ。
それおかしいやんって本気で問題提起しています。
物書きとして命がけで踏みこんでます。
 
中盤、沙智が書店研修をする箇所で、
書店側から見た出版社および取次への不満を
徹底して感情的な台詞で表現しているのですが、
中でもP127の一文。
ちょいと引用を。
 
「おそらくは出版業界だけの特殊な慣習であるパターン配本と調整が、
どれだけ志ある書店員のやる気をくじいていることか!」
 
登場人物の口を借りているとはいえ
「やる気をくじく」とまで言い放ってしまっているのが、ものすごく鮮烈!
 
しかし一方ではP167、
〜取次の推奨商品のラインナップそのままで
書店員が手を入れたあとがほとんど感じられない棚を見て、
臨店のリストからチェックをはずすということもあった。〜
という小売り側の問題点も盛りこまれてます。
 
双方ともかなり踏みこんだ表現やから、
ひょっとしたら取次や書店からの反感を買いかねないし、
出版社にとっても扱いづらくなりかねない。
物書きにとってそれは致命的ですらある。
 
でもこれを書かないと書店営業の物語なんて成りたたへんものね。
避けてしまえば、
安全やけれど物語の説得力も重みも、その意味すらもなくなってしまう。
で、著者は諸問題を主眼におき、徹底的にえぐってしまったわけで。
 
この覚悟がたまらないんですよ。
 
禁忌へ挑む姿勢。挑んででも書きたいという情熱。
それらによって魂が文章の隅々にまで封じこめられて。
俺はそういうものに弱いんです。
 
しかもこの小説がたまらなく魅力的なのは、
諸問題を提示して「これどう思います? 許せますか?」と声高に叫ぶのではなく、
問題が山積する現実世界において
懸命に自分の仕事を果たそうとするヒトたちに焦点をあてているところ。
 
そう、この小説は正統な人間ドラマです。
問題をぼやかすことなく、場合によっては直接的に問題をつきつけているけれど、
根っこの部分では
読書の楽しさを追求した娯楽小説です。
 
どうしても俺なんぞはややっこしく考えまうし、
書店ではないけれどいくつかの小売業に身を置いていたから
いろいろと思うところもあるんやけど、
特に書店員さんや小説が好きな方、
本屋めぐりだったり売り場を散策するのが途方もなく好きな方。
難しいことは考えず、気構えもせず、とりあえずご一読を。
楽しめますぜ。
 
個人的に印象深いのは、
ハモン・イベリコを振り回す沙智の後ろにいつのまにかいて、
そっと豚脚を取り戻す髭のシェフ。
 
一本がでかいし、熟成に時間がかかる代物やから
気が気やなかったんやろうけど、
あわてることなく、お嬢さん落ち着いて、と言わんばかりにイベリコ豚を回収する紳士っぷり。
わずか三ページ弱にもかかわらず、俺の記憶に強く刻まれてしまってます。

2013年4月27日土曜日

今週の一枚 SKID ROW「United World Rebellion Chapter One」

80年代末から90年代にかけて一時代を築いたSKID ROWの、
これはミニアルバムになるんかな、五曲入りのアルバム。
 
リードヴォーカルであるセバスチャン・バックの脱退を機に
聴くことがなくなっていたんやけど、
今回は久々に興味がわいてしまい。
 
だって試し聴きしてみたら
思いっきり俺が好きなSKID ROWの音なんやもん。
 
なんというても#1の、ぐんぐんうねりまくるベース!
重く激しくどろっどろしたリズムに終始するレイチェル・ボランのこのベース!
これぞSKID ROW!
 
セバスチャン・バックもソロアルバムを出しているけれど、
個人的になんか物足りんなあと感じていたのはここなんやろね。
適度に自己主張していながら屋台骨もきちっと支えてて、
パンクでありハードロックであり、それらをない交ぜにして、
新たに構築された、他に似たもののない独自のリズム。
ここにデイブ・スネイク・セイボとスコッティ・ヒルのギターがからむだけで
まごうことなきSKID ROWサウンドになるんやから、あら不思議。
 
しかも、セバスチャン・バックのあとに入ったジョン・ソーリンガーの歌い回しが、
意図的なのか自然体でそうなってしまうのか、
はたまたレイチェル・ボランとスネイクがつくる曲は
最初からそういう歌じゃないといかんみたいに指示されているのか、
おどろくほどセバスチャン・バックっぽくて、
特に「Monkey Bisiness」か「The Threat」かと言わんばかりの曲調#1の歌い出しがね。
言葉は悪いけどまんま。
 
これならセバスチャン・バックなしでもいけるよなあという気もするし、
でもでもやっぱりバズやないとなあという気にもなるし、と
今のジャーニーに対するのと似たような思いになったりも。
 
ただ、この格好良さがたまらんのですよ。
 
イントロが「I Remember You」のような#3では
ジョン・ソーリンガーの個性と言うべきかな、
低い声が魅力的で(この曲がまたいいんだわ)、
今のスキッド・ロウとして聴く分にも、
もちろん当時に「SLAVE TO THE GRIND」アルバムを
聴き倒していたようなリスナーにも、ええで、とおすすめできます。
 
惜しむらくは五曲しか入っていないってことかな。
チャプター1と銘打たれているから次があるんやろうけど、
できればどかんとフルアルバムで聴きたかった。というのも本音。
 
それはそれとして、このど直球ロックンロール。
俺はこういう音がたまらなく好きなのです。
 
 

2013年4月16日火曜日

今週の一枚 KILLSWITCH ENGAGE「Disarm The Descent」

輸入盤で予約注文したにもかかわらず
発売日をすぎても予定日になっても一向に送られてくる気配はなく、
さすがにイラッときてそっちはキャンセルし国内盤を買い、今日届き、
ようやく聞くことができたわけですが、
これはたまらんわ。めちゃめちゃ完成度が高い!
 
KILLSWITCH ENGAGE(以下KSE)は
「The End Of Heartache」アルバムから
新しいほうの「Killswitch Engage」アルバムまでを聴いていて、
前任ヴォーカルのハワード・ジョーンズ期しか知らないから、
今回の脱退とジェシー・リーチの復帰によって知らないバンドになるのやもと
個人的に不安を感じていたのは事実。
 
でも、
リーダーであり、超絶リフメイカーであり、歌もうまく、それでいてキャラも立っている!でおなじみの
アダム・デュトキエヴィッチさんがいるからか、
音に大幅な変化はなく、
メタルコアというひとつのカテゴリーを産みだしたこのバンドならでは音になっています。
 
ただし今回の完成度は俺が聴いてきたアルバムより数段上のところにあって、
いやもう強烈なことこのうえなく。
 
リーダートラックの#4が期待を裏切ることのないKSEサウンドだったから、
まあ今回もいい感じなんやろね、ぐらいに思っていて、
しかも入手に時間がかかったもんやから少しばかしクールダウンしていて、
そんな状態で#1を聴いた日にゃ、そらぶっ飛びますがな。
 
攻撃的で、速くて、スクリーム全開で、
かと思いきやこの曲調でこのメロディを持ってくる?という流麗なやつが用意されていて、
そしてお得意の泣きまくりアルペジオも間奏にあるという。
KSEの魅力がすべてここに凝縮されてるんやもん。
こんなん燃えへんはずがない。
歌いあげるときの歌詞が「This Is The Hell In Me」ってのもええんよね。かっこうよすぎる。
 
#1でも顕著やけど、
今回のアルバムは歌メロが
官能的に
聴き手の耳だとか胸だとか皮膚だとかにからみついてきます。
リーダートラック#4で油断していた俺などは見事にノックアウトされました。
 
アルバムでは、
サビの歌いあげが鳥肌ものの#2と、えぐさ満載のリフが炸裂する#3ときての
リーダートラック#4やけど、
はっきり言うて#4は「らしさ」あふれるし、いい曲である反面、ちょいとコンパクトかなという印象。
それもこれも#4から続く#5のせいなんやけどね。
#5は、なんというか、血が沸騰してまう。
 
前半の#1から#3も相当にいいんやけど、この#5以降がね。
これまでのアルバムにはない濃密な時間が提供されてます。
 
重い雰囲気で始まる#6はサビメロがまたすばらしくて問答無用に体温があがるし、
サビまで徹底的に爆走する#7は、サビで味わい深い低い声にきれいなメロディを乗せていて、
この変化がうまいんだわ。
くすぐったいところに手が届くという言葉がぴったりな展開なんやけど、
手が届くだけでなくここがくすぐったかったんだと気づかせてくれる細やかさ。
 
流れは一切途切れることなく、
リフと疾走感と、ちょいレミー・キルミスターのような歌と、聴かせる泣かせるサビメロの#8と来て、
激烈メロウソングというよくわからない表現を用いる以外に伝えられる言葉がない最強の#9ですよ。
#9はね、放たれるメロディの奔流に飲みこまれそうになります。
「My Curse」とか「Starting Over」のようなわかりやすいKSEの曲ではないけど、
上記の曲で感銘を受けた俺みたいなリスナーは悶絶する。はず。
 
で、パワーバラードの#11と本編最後を飾る#12は、
これもやはりサビメロが魅力的で、ぞくぞくするぐらいの美しさで、まあ反則ですわ。

ということで断言。これまで聴いてきたKSEのアルバムの中で、これがいちばん好き。
 
今回は国内の限定版を買ったのでボーナストラックも収録されていて、
これがまたいい出来で、
特に#13のさわやかなサビメロはやけに耳に残ります。
 
でもボーナスで語るべきはライブバージョンの#17やね。
観客のこの大合唱を聴かされたら泣くにきまってるちゅうの。
 
SOILWORKが北欧らしい灰色の雰囲気をまとっているのに対し、
KSEはエクストリームミュージックでありながらからっとしていて、
えぐいことをやっているにもかかわらず聴きやすくて、
このふたつのバンドのアルバムが同時期に出るっていうのはとても贅沢だが、
一方で他のメタルコアバンドは霞むやろなあという、いらん危惧も抱いてたりする。
 
だってこのアルバムの完成度はちょっと普通じゃないもの。
音楽性は違うけど、
MACHINE HEADの「The Blackening」アルバムを聴いたときのような
これは特別なやつだわと、俺はこのアルバムを聴いたときに感じた次第。
 
あくまで俺にとってはということやけどね。
メタルファン、ロックファンの方々とこの気持ちを共有できたら嬉しいです。
傑作!
 
ちなみに国内盤が届いた今日、
俺が輸入盤を買おうとしてキャンセルした通販大手のページでは
輸入盤が10点在庫ありになってました。
なんちゅうタイミングの悪さや。
 

2013年4月5日金曜日

今週の一枚 STONE SOUR 「HOUSE OF GOLD AND BONES PART2」

パート2と銘打たれているものの、

裏ジャケットに記載されている曲番号はパート1からの続きになっていて、

だから#1から#4まではアルバムの冒頭というより

物語の中盤という雰囲気が色濃いのかな。

 

#1はスリップノット「VOL.3」アルバムの「Prelude3.0」をちょこっと思いだす暗さ。

#2から#4まではフックこそあるものの音の厚みと重みで押しこまれる。

特に隙間を残したアレンジが映える#3

サビこそコリィらしいメロディラインで魅力的なんやけど、

全体はもやもやしているというか鬱々としている。

 

冒頭がこんなやから最初はちょいと地味な印象を受けるやも。

 

負の感情が渦巻くように唸る#6もあって、

パート1と比べるとえらく重いアルバムになったなというのが第一印象。

 

ただ、同じタイトルでパート1、パート2と分けておきながら

パート1とはちがう聴き所を用意しているところがさすが。

 

一発目は#5

どすんと重い前四曲の流れを受けたバラード調の入り方。

そこから一転してえげつないリフとリズムで受け手を飲みこんだのち

躍動する歌を徹底的に聴かせる。

この力技!

いろんなロック要素を混ぜこんでいる具合が、めっちゃかっこいい!

最後でサビメロが転調するところも含めて強烈。

 

粘液のごとくどろどろした#6を挟んでの#7そして#8

特に#8のやけに残るイントロと鮮烈なサビはたまりません。

おとなしめなんやけど、こういう隠し味の利いた曲が俺はおもいっきり好み。

 

そして聴きどころは#10から#12

この三曲のためにアルバムを聴く価値があると言っても過言ではない。はず。

 

#10は跳ねるリズムとまさしくロック!な歌が印象的で

これまでのストーンサワーにはなかったタイプ。

ヒトによっては懐かしく感じられるかも。

古典的なヘヴィロックなんやけど、それをコリィが歌って駄目になるわけがない。

しかもパート1で使われたメロディを持ちこんだりもしてて、

ずるいことこのうえない。

ベタやけどそういう反復が大好きなのです。

 

本編最後を飾ってもいいくらいのパワーバラード#11を経て(ここでも反復が心地よい)

なるほど物語をこういう曲で締めくくるのねとほくそえんでしまうタイトルチューン#12

文句なしにこのアルバムの最高潮。

 

#12は前作の「Absolute Zero」と対をなしていて、

リフにしろ歌にしろ直球のストーンサワーサウンド!

このバンドの得意技が網羅されてます。

このバンドが好きなヒトでこの曲が嫌いになる理由はない、というくらいど真ん中。

 

最初はえらく重いという印象やったんやけど、

実はパート1より聴きやすかった、というのが

三周ほど流したこのアルバムの感想。

 

「聴きやすい」に加えて「楽しい」というのも重要な要素かな。

 

コリィの歌とかジェイムス・ルートとジョシュ・ランドのギターワーク、

さらにはゲスト参加したレイチェル・ボランの野太いベースもさることながら、

ロイ・マヨルガ(読み方はマヨーガかも)のドラム(特にスネアとバスの音)が、どこまでも好きなんよね。

このドラムを聴いているだけでにやにやする。

だから、もうとにかく聴いてて楽しかった。

 

というのが本編の感想。

ただ、もうひとつだけ追記。

ぶっ飛びましたよ、ボーナストラックの#13で。

 

この曲、途中から思いっきりメジャー進行してますがな。

サビとかめちゃめちゃ明るくなってますがな。ポップですがな。

ストーンサワーやのに。スリップノットのヴォーカルとギターがやってるバンドやのに。

どゆこと????

 

しかもこれはデモ音源なので、

製品としてつくられたテイクでは絶対に聞くことができないコリィの

「メタルシャウトをしようとしたけど恥ずかしくなってやめた」的な中途半端な叫びとか、

「ハイ!」と日本語で返事するかのように掛け声があったりして、

それもひっくるめて衝撃。

 

もしかしたらストーンサワーはこっちの方向も模索していた(あるいは現在もしている)のか?

だとしたらおもろいぞ、と。

熱烈なファンは拒否反応を示すやもしれんけど、

これはバンドの新たな武器として魅力的な個性になりうるかもと、

俺みたいな雑食リスナーは期待にはらはらどきどきむらむらしたり。

 

久々に国内盤を買ってよかったと思った次第。

国内盤を買ったのは、アマゾンさんで頼んでいた

KILLSWITCH ENGAGEの新譜がまだ届いていないという惨状ゆえなのだけれど。

2013年3月26日火曜日

今週の一枚(二枚目) A HERO FOR THE WORLD「A HERO FOR THE WORLD」

 香港のJacob K Musicから送られてきた、

プロジェクトと言うべきかバンドと言うべきか、の1stアルバム。

メタルがやりたくてたまらないという気持ちがこれでもかと溢れているアルバム。

 

ジャケットはプライマル・フィアなんかを手がけたらしいブラジルの方の絵で、

筋骨隆々な戦士の背中がどこからどう見てもマノウォー。

笑ってしまうぐらいにマノウォー。

歌の合間に「はっ!」とか「ふっ!」とか入るのもマノウォー。

たま〜にエリック・アダムスっぽい歌い方になるのもマノウォー。

 

なのだけれど、やりたいことはマノウォーというよりもっと王道のメロディックメタルなんかな。

マノウォーの、偽物を一切寄せつけない凄まじい暑苦しさ(最上級の誉め言葉です)を期待すると

ちょいと肩透かしを食らうかも。

音楽的にも歌唱という意味でもマノウォーっぽい曲は#9ぐらいやし、

それも完全にマノウォーのパクリ、昨今ではオマージュなどという言葉ではぐらかされるあれね、

ああいう意味ではなくちょっと影響を受けている範疇。

 

音としてはストラトヴァリウスの「インフィニット」アルバム、

ようするに「ハンティング・ハイ・アンド・ロー」タイプの曲が基本としてあり、

曲によっては壮大な展開、曲によっては複雑な転調、曲によってはアイルランド民謡かな、

民族音楽っぽさも(メタルバンドが味つけで入れる程度に)入ってます。

 

このバンド、ギターもドラムも超絶テクプレイヤーやけど、

最大の武器であり可能性はヴォーカルの秘められた力かな。

 

送られてきた情報によるとこのヴォーカルは4オクターブが出るとのこと。

そんなんはどうでもいいです。

シャウトではエリック・アダムスを意識しているし、

力んだハイトーンはアンドレ・マトスっぽくなるし、

いくら4オクターブでも高いところは無理してるやんと言いたくなるし、

力を抜いた低い声がけっこうかっこういいんやからそっちをもっと使えよと言いたくなったりもするけど、

いちばんの魅力は力まず伸びやかに歌ったときスティーブ・ペリーのような雰囲気になること。

 

それが如実に現れるのが#1

この曲はメロディックメタルファンに聴いてほしい。

聴く場所もきっかけもないやろうけど、もしできうるならば聴いてほしい。

 

曲調自体はアップテンポの、はっきり言うとありがちなメロディックメタルソングなんやけど、

Bメロだけアメリカン・プログレ・ハード(死語すぎて通用せんかな?)の匂いがぷんぷんしてて

そこに前述のスティーブ・ペリーっぽい高音やもの。

いや、驚いた。

 

この手法でメタルをやっているヒトは、

俺が知っているかぎりでやけどヨルン・ランデぐらいちゃうかな。

ヨルン・ランデがメタルの「らしさ」とは異なるサビメロを持ちこんだことにより

完成度という意味で大成功したMASTERPLANの名曲「スピリット・ネバー・ダイ」。

あれを彷彿とさせる格好よさがあって、これは個性になる。間違いなく。

 

ストラトヴァリウスを聴けばいいやん、とか、

ソナタアークティカで事足りるやん、と言いたくなることの多いメタルシーンにおいて、

確固たる個性が出せるのは実はけっこう難しくめずらしくて、

だから俺みたいなのは可能性って意味も含めてニヤニヤしてしまうわけです。

 

このニヤニヤを他のメタルマニアにも共有してほしい。

俺と同じようにニヤニヤしてほしい。

ゆえにここで取り上げたわけです。

 

他の曲も完成度は高くて、

アイリッシュなバラード#3や荘厳な#5#9

直球メタルソングでは#2や#7なんかも揃っているけれど、

やっぱり#1、それと#4やね

 

他の曲は典型的なメロディックメタルソングに

マノウォー風味とか複雑な展開とかでスパイスを効かせているから、

もしかしたら#1は偶然の産物なのかもしれんけど、

いや、狙わんとあのBメロをあそこに放りこもうとはならんはず。

そう信じたい。

 

このプロジェクトがいい意味でのジャーニーっぽいメロディを模倣にならず自分のものにできて、

それをメタルの土台にぶちまけて個性にすることができたら、

おそらく大きく化けるんちゃうかなあ。

そっちの期待をしてしまわずにはいられないのは、

やっぱり根底に流れる俺の血がこういうのを欲しているから。

 

本音を言うと最初はあなどってましたよ。

うちみたいな日本語オンリーの、ちっぽけな規模のウェブサイトをわざわざ見つけて

プロモデータへのアドレスを送りつけてくるんやもん。

 

ありがちなインディーズ音源なんやろなぐらいにしか思ってなくて、

酒飲みのネタにはなるかとプロモデータを落としてみたら、

MP3とはいえフルアルバム分あって、ジャケットや歌詞もPDFで収められていて、

デザインもちゃんとしていて、

音質もきちんとプロ作品としてできていて、

そして#1やったからね。

 

現時点では好事家向けのアイテムやし、

俺のように日本発売に合わせて作品を追いかけている程度のメタルファンには眼を向けにくいものやけれど、

3/29発売、iTunes Storeでも販売されるようなのでこれを機によろしければ。