2013年3月26日火曜日

今週の一枚 SEREBRO「MAMA LOVER」

ユーロヴィジョンコンテストの受賞などで

海外ではすでにどえらく売れているらしい美女三人グループのアルバム。

日本盤は「セレブレーション」というアルバムタイトルらしいけれど

当方が手に入れたのは輸入版なのでこのタイトル。

曲順も異なっているけど収録曲そのものはほぼ同じ、だと思うので、

今回は#1みたいな表記じゃなく曲名で(ただし英語タイトルなので読みづらくなりますご注意を)。

 

日本デビューということで、

最近CSの音楽専門チャンネルで「Mama Lover」のPVが流れ始めたの観たのがきっかけ。

あの、これがですね、もう正気じゃないんですわ。

 

美女三がドライブを楽しんでいて車中で暴れつつ歌うという作りで、カメラは定点。一人は運転。

三人グループやから一人は後部座席でほとんど見えないというお粗末な構図。

問題は助手席にいる、センターでありリードヴォーカルをつとめる彼女。

はしゃぎしすぎて、脚を広げっぱなし。パンツが見えるどころやあれへん。モザイクがかかっている始末。

えっ中身が見えてんの? このヒトらって容姿端麗やし、一応アイドルちゃうの? これ、ええの?

 

その感じが、

セクシーアイドル的な、あからさまに男(の特定の部位)を刺激する色気やら煽りではなく、

男がおらんときの女性はこうやねんでぇと見せつけられているような、

けっして男に色気を感じさせる類ではなく、

むしろ男がひきかねないほどの開けっぴろげな赤裸々さでして、

アイドル?と首を傾げたくなる奔放っぷりに惹かれたのがひとつ。

 

で、まあ調べたらこのグループってロシア産なのね。

ロシアのアイドルといえば、各方面でお騒がせ二人組としておなじみとなり、

おなじみのまま干されて消えたt.A.T.u。

 

あれをどうしても思いだしてしまうわけですし、

Mama Lover」の無茶なつくりも方法論こそ違えどt.A.T.uのように話題性で火をつける手段なんやろかと、

穿った見方をしてしまいがちやけれど(実際にそういう側面もあるやろうけれど)、

特筆すべきは歌唱力。

 

リードヴォーカルの彼女。

ハスキーなブリトニーというべきか、

もしロックをやっていたらアン・ウィルソンのようになっていたというべきか(例えが古い)、

かすれた声がなかなかに好みでして。

 

ユーロヴィジョンコンテストは、

LORDIとかの飛び道具もたまに選ばれたりしてるけど、

ちゃんとした演奏力が伴っていないと取ることはできないものだと思うのです。

放送では歌わなあかんしね。

 

そのステージにおいて堂々と、

完成度の高いパフォーマンスを見せつけたこともあり、

なかなかにおもしろいグループやなとアルバムを購入した次第。

 

曲調は曲調で、

ある意味で正気かと疑いたくなるほどのふる〜いダンスミュージック。

音の選び方とかアレンジとか、80年代風じゃなく、そのまんま80年代。

ユーロビートとして先鋭化する前のダンスミュージックそのもの。

 

Mama Lover」は音が何となくゴーストバスターズやし、

Angel Kiss」の流麗な歌メロとの掛け合いで入るキーボードの安い音とか、

Gun」のイントロからバスドラムへ入るお約束な感じとか。

 

そういう曲調と、前述のあけっぴろげな部分とがあいまって、

言葉は悪いけどイモ臭くてね。

けっしてアメリカのスーパースターな女性シンガーにはない要素で、

ちょっとした親近感すら抱くことができて、おそらくそれは愛される要素になりうるわけで、

個人的にはそういうのがとてもおもしろく。

 

おそらく今後、そこらじゅうで「Mama Lover」が流れるでしょう。

他にもユーロヴィジョンでも歌われたハードなダンスナンバー「Song#1」、

個人的に好きな「Angel Kiss」とかいい感じの曲がありますので、

そのあたりを聴いて食指が動いた方は

アルバム本編も楽しめるはず。お試しを。

 

それはそれとして、最後にひとり言。

 

Mama Lover」の邦題は「恋はママラバ」だそうです。

いや、ええねんけどさ。

ええねんけど。

ねえ。

 

ピンポイントでこういうのが受ける層にアピールしようとして、

結果としてそういう層にもそれ以外の層にもアピールできなくなる危険性もはらんだこの邦題。

自ら陳腐化を図ってやしませんかね。

 

少なくともt.A.T.uのような話題性だけで終わらせるにはもったいないグループだと思うんだ、俺は。

もちろん今後がどうなるかなんて本人やスタッフの努力にかかってるわけやし、

人気商売なんぞ波がひくときは一瞬で抗いようもないんやろうけど、

そういう邦題をつけるのは

仕掛ける側がアーティストを消費材に追いやるきっかけになりやせんか、と。

ヨーロッパや本国ロシアでは人気が持続していいアルバムを出し続けているのに

日本では「あのヒトは今」みたいな扱いにしかねんのちゃうか、と。

 

年食ったおっさんはそんなことをつぶやきたくもなるのです。