2013年3月1日金曜日

今週の一枚 SOILWORK「THE LIVING INFINITE」

ものすごく安直な表現やけど、これは格好いい!

二枚組ということで、
散漫になったり途中でだれたりするかも、という不安はあったけど、
この緊張感にして、この完成度。問題なんぞまったくあれへんね。

作品を味わいつくすにはDisc1とDisc2の両方をじっくり聴く必要があるわけで、
そういう意味ではちょいと敷居は高くなるのやもしれんけど、
直球勝負のDisc1に対してDisc2は複雑な展開を強調していて色合いが違うから、
そのあたりの変化も含めて存分に楽しめます。楽しんでます。

二枚組とはいうものの
Disc1は40:27、Disc2は44:06と短めやから、
通しで聴いてもしんどくはないしね。

それに、SOILWORKの個性がほぼすべての曲から漂ってくるもんやから、
その個性に魅力を感じているなら、感じられるなら、
問答無用にひきずりこまれることは請け合い。

その魅力の最たるところは、やっぱりビョーンの歌。これに尽きる。

グロウルとスクリームとクリーンボイスを駆使するヴォーカルは数いるけど、
だいたい「ここは唸って、ここはきれいに歌って」と別人になるがごとく使い分けるもんで、
そういうのも俺は好きなんやけど、
ビョーンの魅力というのはそれらの声色を高いとこで融合して、
叫んだままメロディを歌ったり、メロディを大事にしながらグロウルで味つけをしたり、
しかもそれを計算ではなく即興のような身体性でもって
表情を変えるように声を変えていくところにあるんちゃうかなと思う次第。

変化が自然だからなのか、
聴いててとても心地いいんよね。

で、その歌によって形作られるメロディこそがこのバンドの個性であり武器なわけで、
すべての曲にちゃんと封じこめられてるから、
そりゃあ聴いてて楽しくないわけがない。

二枚組やから曲について列挙してるときりがないので大雑把に言うと、
Disc1ならいきなりブラストビートから、ブラストビートのままサビに突入する#1とか
イントロからサビまで一撃必殺キラーの#3とか、
サビで陰鬱さを一気に払いのける、ポップですらある#4とか、
メガデスの現代的解釈か!と言いたくなる激烈#6とか、
この歌は反則やで、もろに俺の弱点やでと泣きそうになった#7とか、
リフ一発勝負の疾走感からサビで聴き手のハートわしづかみ、悶絶の#8とか、
#8からの流れでまさかこういうのを持ってくるとはと本気でびびった軽快なロックチューン#9とか、
声の艶にぞくぞくする#10とかが好物。

ほぼ全曲やね。
だっていいんやもん。しょうがない。
上記で触れてないけど、サビでシャウトのまま歌いあげる#2とか、
まさにSOILWORK!な#5も抜群によくて、
「この曲はスルーしてもええかな」がないんやから。

なぜ二枚組なのかというのは、そういうところにあるのかもね。
どの曲にもフックがあって、個性があって、外せない。
しかもDisc2では展開の複雑さと同時にメロディもDisc1と異質のものがあって、
こっちはこっちで外せない、じゃあ二枚組にしよう、となったんちゃうかな、と。

もしそうであれば、二枚組っていう判断は正解。
Disc2がまたいいのよ、強烈に

陰鬱な小曲の#1から続く#2こそリフから展開から「figure Number five」以降の
SOILWORKらしさ爆発の躍動感あふれるメタル曲で、
この曲はこの曲でサビとかソロがめちゃめちゃよかったりするんやけど、
#3以降がまたすばらしいんだわ。

#3のBメロはね、この色の変え方はずるいし、うまいよなあ。
おおげさに聞こえるやろうけど、息を飲んだし言葉を失ったね。
サビで沈鬱になるのも含めて、Disc1との差別化が見事にできてる。

Disc1との差別化は続く#4もそうで、
奇妙にふわふわした展開から、サビで不協和な部分が溶けて実体化していくあたりが抜群。
ギタリストの曲とは思えん。

前の曲のふわふわした靄を吹き飛ばすようなブラストビートの#5では
印象の違うサビが効果的で、その一節がやけに耳に残るし、
重厚なイントロの#6では、ここがサビかと思いきやもっと美しいメロディが用意されていたりと、
展開の妙味が飽きさせないし、Disc1が良かったからもういいやとは決して思わせてくれないとこが、
いい具合に聴き手の(俺の)内心をくすぐってくれて、
そら身悶えるっちゅうねん、と。

インストの#7を挟んでからはある種定番の流れとも言えるけど、
こういうサビメロをずっと聴いていたいんやと叫びたくなる#8から、
ハイライトの#9はこの作品でも最大の聴き所。
その他大勢のメタルコアが裸足で逃げだすほどの凄まじさ。
特に#9の、美しくも攻撃的なサビは、
心憎いというか憎たらしいことこのうえないほどの、ツボ!

本編最後をこういう曲で飾るのか、の#10では、
変化は乏しいのにやけに耳に残る前半から、
後半のこれぞメロデス!な残虐性で締めくくり。

総評としては、すんごいアルバム。
強烈なエネルギーに翻弄されっぱなし。
届いたその日に四週してもたし。
これはしばらく聴き続けるやろうね。

三月にはKILLSWITCH ENGAGE、四月にはSTONE SOURと楽しみな作品の発売が控えていて、
メタル好きの血はさわぐばかりなりですが、
まずはこのアルバムを擦り切れるまで堪能する予定。

こういう時間をすごしていると、音楽好きでよかったと心から思います。