2013年6月19日水曜日

今週の一枚 BLACK SABBATH「13」

今週の一枚 BLACK SABBATH「13」

トニー・アイオミのねっとりしたギターと
ギーザー・バトラーのうねりまくったベースの上に
オジー・オズボーンの声が乗りゃ、それはブラックサバスになるわけで。

しかも今回はリック・ルービンのプロデュース。
スリップノット「VOL.3」アルバムでは
すさまじい数の音をひとつずつ分離したうえで躍動感のある音にしてのけ、
メタリカ「デス・マグネティック」アルバムでは
スネアにエフェクトをほどこさなかったりと生々しくも激しい音に仕上げ、
アデル「21」では古いロックの土台に乗せることでアデルを
三段階ぐらいひきあげた、
あのリック・ルービンですよ。

期待すんなっていうほうが無理。

で、音なのですが、
これがまたまごうことなきサバス!

重い。遅い。禍々しい。
とにかく徹頭徹尾、そんな音。
しかも現代的な重さとか遅さじゃなく70年代のサバスそのものの重さ。
音づくりにいたるまで70年代なのがいいね。
音圧だけ現代レベルまであげた70年代の音と言うべきかな。
リック・ルービンの仕事が活きている。

ひょっとしたら若い子には物足りないかもしれんし、
古くさく聞こえるやもしれんけど、
これがオリジネイターなんだよとおっさんは声高に叫びたい。
いや、リアルタイムでは聴いてへんけどさ。

オリジネイターの証拠というか、
サバスらしいこの作品の特徴は、なんと言っても曲が長いこと。
四分台は#4と#6だけ。あとはすべて七分以上。
#1と#2は八分を超える。
これだけでいかにサバスらしい作品かわかるでしょ。

「Black Sabbath」とか「War Pigs」とか、
ああいうのが好きなら確実ににやにやすること請け合い。
音楽性が音楽性だから飛びあがって喜ぶというよりは
うつむいて全身を傾けたくなるという感じかな。

サバスが好きなヒト、
スピリチュアル・ベガーズとかザ・ソードとかで
重く遅いのに目覚めた若い子にもおすすめしたい一枚。
トニー・アイオミとギーザー・バトラーのリフの冴えがね、ぶっ飛んでます。
めっちゃくちゃ気持ちいい。

ただ、買うなら二枚組のデラックスエディションにすべき。

デラックスエディッションは要するに二枚目にボーナストラックを収録ってこと。
昔はそういうのって選考からもれた曲なわけで、完成度は低かったわけですよ。
でも最近はそうでもなかったりして、
何となく一枚だけのものを選んだら後悔するやもという予感もあったので
二枚組にしたんやけど、正解でした。

二枚目の#1はサバスというよりオジーのソロっぽかったりもして、
だからアルバム本編には収録されんかったんかなとも思うんやけど、
この曲が強烈にかっこういいんだわ。
イントロのリフといい歌メロといい、個人的にこのアルバムでいちばん好き。
本編に入っててほしかった。

#2は本編同様のサバス節、重く遅い曲で、これもいいんよね。
#3は#3で、これまたリフがぶち抜けてるえぐさ。
こっちもやっぱり本編に入れててほしかった曲。

てなわけで、
二枚組商法の是非とか効果はさておき、
二枚目に収録されている曲をサバス好き、
ちょっとだけサバスに興味があるロック好きに届かないというのは
非常にもったいないというおっさんのお節介により、
デラックスのほうを心からおすすめします。