2013年9月19日木曜日

今週の一枚 ANNIHILATOR「FEAST」

いつにもましてグロテスクな表紙(アリスさん、ゾンビ化?)も含め、
けっしてすべてのロックファンにはおすすめできないけれど、
こればっかりはもう、好きなので、としか言えないアナイアレーターの新譜。

とりあえず、ぶっとんでます。
#1の冒頭でいきなり、笑ってしまうくらいの超高速ピッキング。
これぞスラッシュメタル。これぞアナイアレーター。

躍動感とメロディが奇妙だけど耳に残る#2も「らしい」曲で好きなんやけど、
無軌道すぎてなんかもうくらくらするのにおどろくほどはまる#3とか、
序盤はスラップなんかで遊び心満載なのに
中盤からジェフ・ウォーターズならではのリフとソロでたたみかける#4とか、
一方で曲そのものはアナイアレーターならではなのに
サビで恐ろしく曲がる変化球を投げてくる#5とか
(このサビは若い子にはマキシマム・ザ・ホルモンっぽく聞こえるかな)、
それはもう聴き手を翻弄すべく好き勝手に暴れまくったあとで
唐突に持ってくるバラード#6のいやらしいほどの上手さ!
こんなん、イントロで泣くっちゅうねん。
メランコリックなソロでさらに泣くっちゅうねん。

#7#8#9と続く長尺の曲でのえげつないほどの展開美もしびれます。

個人的には#8の、
美しいイントロから一転する激烈さと、
ただひたすら美しく劇的なソロへの流れが強烈で、
とてつもなく好き。

計算された展開の妙味と、パンク由来の暴走っぷり。
それでいてすばらしく整合性が保たれた音像。
どの曲にも歌あるいはギターで印象的な箇所を用意しているという
作編曲の能力の高さもあいまって、
乱雑なのにかゆいところにはきちんと手が届く感じ。
ものすごく心地のいい作品です。

ちなみにデラックスエディションには
現メンバーによる再録が本編よりも長時間収録されていて、
俺は以前の作品をもの見事に聴き逃していたから
昔の曲への思い入れはさほどないし
「King Of The Kill」が聴けるだけでおいしい!
くらいに思っていたのだけれど、
やっぱり他にもいい曲をたっぷり持ってるねぇこのバンドは。

「Fun Palace」とか「Nozone」とか「Stonewall」とか、
当時に聴いておきたかった。

何度聴き直しても
やっぱりヒトには薦められないけれど、
なんかいろんなもんをふっ飛ばしてくれる音で、
俺にとってはこういうのが栄養剤なのです。

2013年9月3日火曜日

今週の一枚 MICHAEL MONROE 「Horns And Halos」

熱烈に追いかけているわけではないんやけど、
ふとした瞬間に聴きたくなるのです、マイケル・モンロー。

実は俺、
いまだに「Not Fakin' It」アルバムとか、デモリッション23とか、
当人にとっては葬り去りたい歴史であろうエルサレム・スリムなんかも
たまにひっぱりだして聴いていたりします。

で、このアルバムに収録されている#2のPVを観て、
「へえ新譜が出るんやあ」と思う間もなく格好よさにやられてしまい。

だって、これぞマイケル・モンロー!な曲なんやもの。
パンクでロックで、ポップでもあって、
にもかかわらずなぜかたまらなく切なくて。

このアルバムを買ってから怒濤のくり返しで聴き続けてます。
歌メロをなぞっているだけのギターソロが
おそろしく感動的なのもまた格好いいのです。

というわけで、
このアルバムは俺が知っているほぼそのままの
マイケル・モンローな内容。
タテノリでパンクで、Bメロからサビが心地いい#1からして、
これぞマイケル・モンローのアルバムだったりします。

中でも#2と同じくらい聴きまくっているのは#5と#10。

#5はイントロのギターもいいし、
歌いだしの寂しげな声がぐっと来ます。
優しい曲調やしメジャー展開ではあるものの
サビがハッピーになりきれなくて、
過ぎ去った思い出というか、
淡い記憶をなつかしむ感じが耳に残ります。

そして#10はね、理屈ぬきにこういうのが大好きなんです、俺。
華やかさとは無縁の寂れた裏通りの匂いがあって、
バラードと呼ぶには猥雑で、
ハードボイルドな雰囲気がそこはかとなく漂っていて。
こういうのが聴きたくてマイケル・モンローを聴いているようなもの。

とまで言うと暴論かもしれんけれど、
Not Fakin' Itアルバムの「All Night With The Lights On」とか、
デモリッション23の「You Crucified Me」とか、
そういうのを忘れた頃に聴きたくなる俺みたいなもんにとっては、
新たな名曲との出会いなわけです。

他にも、
ブラスの効かせ方がうまい#3や#11とか
ストレートなパンクロックの#4や#9、
何となくアルバムを再生していると必ずこの曲のサビで
意識が持っていかれる#7などもおいしくいただけます。
いいアルバムです。

その中でひとつ気になるのが#12。

#12はボーナストラック扱いなのだけれど、
なぜこれがボーナス?

ど真ん中のタテノリパンクロックで、
めちゃくちゃ格好いい曲で、
この曲こそマイケル・モンローのアルバムの一曲目にすべきちゃうの?
と俺なんぞは思わずにはいられません。
いや、それぐらいいい曲なんだもの。
謎や。

まあそれはともかくこのアルバム、
個人的な感想ですが最高に気持ちのいい、
とてつもなくクールなパンクロックアルバムです。