2015年12月17日木曜日

追記、ファンレター。

去年の秋頃のことです。

その年の初夏に書きあげた長編が、もうひたすらぼろっかすで、
編集サイドからは批判否定の雨あられ。
挙げ句の果てに担当編集者からは

どうしたらいいんでしょうかね。ちょっと途方に暮れています。(原文ママ)

と書かれたメールが来る始末。

完全に腐っていました。

その時点で光文社から話はいただいていましたし、
「ブレイン・ドレイン」の企画もプロットをお渡しして
OKをもらっていたのですが、
やる気を出そうとすればするほど気持ちは上向きにならず。

という状況で地べたを舐めていた折り、
新潮社経由で一通のファンレターをいただきました。

そこには俺が19歳あたりに書いた小説を、
当時中学生で読んでいたこととか、
そのときの心境とか、
最近になってたまたま「ワーカー」の出版を知ったことなど、
さまざまな言葉が綴られていました。

このお手紙と、言葉にどれほど救われたか。

おかげで書こうという気持ちが蘇り、
そこから執筆を加速し、
今年の一月には半分ほどの状態を担当編集氏に送って、
担当編集氏と編集長の両方から好感触を得て、
六月に第一稿を仕上げ、
いくつかの調整を経て今回の出版に至りました。

本当に本当にありがとうございました。

感謝の気持ちを言葉にして伝えたいと思っていたんですが、
物書きとしてはまず作品を出さないと、
それこそが返事やないかとこぶしを握っていたため、
返事を出せないまま一年以上が経過してしまいました。

もしかしたらここを読んでくれるかもしれないという
ずるい期待を抱いてこの文章を書いています。

お手紙を書かれていたとき、
まだ「ワーカー」は途中までだとおっしゃられていました。
その後、楽しんでいただけましたでしょうか。

昔の本に比べると
ちょっとばかし完成度は
あがっていたのではないかと思っています。
もしかしたら悪い意味で洗練されていたかも。

「ワーカー」も粗いとか何とか言われましたが、
あれの比じゃないくらい、ねっとりした文章でしたからね。

次の新作も、
現実を忘れて楽しんでいただくことを目的に
徹底的に磨いてみました。

こちらもお手に取っていただければ幸いです。

くりかえしになりますが、
お手紙をありがとうございました!



それと、
もしかしたらですが、
過剰な自意識かもしれませんが、
私の作品の出版を待ってくれていた方が
現在もいらっしゃるかもしれません。

本当にお待たせしてしまいました。
申し訳ございません。

新しい物語を通じて皆様と出会えたら嬉しいです。

あわよくば
本を手にとっていただいた方が
にやりとしながらページをたぐり、
その指がとまらなくなったりしてくれたらなぁと、
今はただ願ったり祈ったりしています。